もし真冬にカーエアコンの暖房が利かなくなったらどうしますか。コートを脱がずに運転しますか、使い捨てカイロで全身を武装して運転しますか。
厚着したままでは運転がしにくいですし、使い捨てカイロでは全身が暖まるわけではありません。冬でもなくてはならないカーエアコン、暖まらない原因を探ってみました。
目次
カーエアコンが暖まらない際に考えられる原因とは？
カーエアコンが暖まらない原因を究明する前に、冷房とはシステムが違うカーエアコンの暖房についてご紹介していきましょう。結果としてそれが暖まらない原因につながります。
カーエアコンの暖房
車はエンジンを回転させることで動きます。回転が繰り返されることでエンジンは高い熱を帯び、そのままにしておくとオーバーヒートを起こしてしまいます。それを防ぐためにラジエーター液と呼ばれる冷却水を循環させて放熱、サーモスタットでエンジンの温度を一定に保っています。
カーエアコンの暖房は、この暖まった冷却水をヒーターコアという部品に取り込み、ブロアモーターという部品で起こした風を当てることで温風を作りだします。
つまり80℃くらいの熱湯を入れたヒーターコアという湯たんぽから出る温風を、ブロアモーターという扇風機で車内に送り出しているわけです。
冷媒と呼ばれる循環液を使う冷房との違いをおわかりいただけましたでしょうか。
カーエアコンの暖房が効かない理由
カーエアコンの暖房が効かない理由はいくつかありますが、冷却水が流れてこないとか、暖まった風を送りだせないという理由が多いといわれており、それに付随する部品が故障していると考えられます。
- サーモスタットの不具合
暖房が効かないときの一番多い理由がサーモスタットの不具合です。サーモスタットは、エンジンを早く暖めるために冷却水の通路を塞ぐ部品です。エンジンが適正温度になると弁を開き、冷却水を循環させるのですが、弁が開いたままになるなど不具合が起きていると暖房効果が上がりません。 - ヒーターコントロールワイヤーの不具合
マニュアル式のヒーターの場合、ヒーターコントロールワイヤーが動かなかったり切れていることが考えられます。ヒーターコントロールワイヤーは、温度調節レバーとヒーターコアをつないでいるワイヤーで、切れたりすると温度調整が効かなくなります。 - ヒーターブロアモーターが回らない
ヒーターブロアモーターは、風を起こすための送風機です。故障すると風が出なくなります。電源が切れているなどいくつかの理由が考えられます。 - 冷却水が入ってこない
漏れるなど何らかの原因で冷却水が入ってこない場合も暖房が効かなくなります。ラジエーターの故障、ホース類の不具合、ウォーターポンプの故障など原因はいろいろ考えられます。最悪オーバーヒートの可能性がありますので、注意が必要です。 - オートエアコンシステムの不良
オートエアコンは、ボタンやタッチパネルで操作するタイプのカーエアコンですが、基盤となるシステムが壊れている可能性が考えられます。 - ヒーターミックスダンパーの故障
ヒーターミックスダンパーとは、オートエアコンのスイッチを入れたとき、ヒーターコアの温度調節を動かすモーターのことです。ヒーターミックスダンパーが壊れていると温度調整が効かなくなります。
カーエアコンの修理と費用の相場
カーエアコンの暖房の修理にかかる費用は、車種や故障個所によって変わってきます。今回は1つの目安としてご紹介します。
- サーモスタットの不具合
サーモスタットの部品は2.000円ほどですが、修理代として5.000円から20.000円ほどかかります。 - ヒーターコントロールワイヤーの不具合
ワイヤー自体は2.000円ほどですが、修理費用に5.000円から10.000円かかります。 - ヒーターブロアモーターが回らない
ブロアモーターが回らない場合の修理費用は、15.000円から20.000円くらいです。 - 冷却水が入ってこない
冷却水が入ってこない場合の修理代は、故障個所によって金額は大きく変わります。室内のインパネを剥がさなければいけない場合は、50.000円前後と費用が高額になります。 - オートエアコンシステムの不良
システムの不具合の場合の修理代は、最低でも50.000円。高くなると100.000円を超えることも珍しくありません。 - ヒーターミックスダンパーの故障
ヒーターミックスダンパーも10.000円から30.000円と高額な修理代を必要と可能性があります。
カーエアコンが効かない時の応急処置
修理をするには時間がかかる。それでも車に乗るしかない。そんなときに用意しておくと便利なアイテムがあります。
車載用ファンヒーター
シガーライターを電源としているファンヒーターで、ドライヤーのような感覚で温風がでます。
シートヒーター
電熱線が埋め込まれているシートタイプのヒーターです。シガーライターを電源としているタイプが多く、暖房が効かない状態でも背中とお尻が暖まります。電熱線で温めるので乾燥しにくいというものメリットの1つです。
断熱カーフィルム
車の窓ガラスに断熱カーフィルムを貼ることで、室内外の熱の移動を抑えることができるフィルムです。冬は暖めた熱が窓から逃げるのを抑えますし、夏は熱い外気が入るのを防ぎます。特殊なフィルムなので、プロにお任せするのをおススメします。
きれいな空調で快適な冬のドライブをエンジョイしよう
カーエアコンを入れている場合、特に冬は暖まった車内の空気を逃がしたくなくて、窓を開けるのを嫌うときがあります。こんなときカーエアコンが汚れていると嫌な臭いとともにアレルギーの原因となるカビなど胞子が飛散することになります。乾燥する冬はカビの胞子も飛散しやすいという時期でもありますので、カーエアコンの洗浄はこまめに行いたいですね。
