カーエアコンの構成部品である「コンデンサー」は、定期的に洗浄をしないとカーエアコンのトラブルにつながることもあります。
カーエアコンは、一般家庭用のエアコンの室内機にあたるエバポレーターなどの車内の機器と、室外機にあたるエンジンルーム内にあるコンプレッサーやコンデンサーから成り立っています。
暑くなってそろそろカーエアコンの出番というときになって、冷えない原因として考えられるのが室外機にあたるコンデンサーなのです。
そこで今回の記事では、カーエアコンのコンデンサーをご自身で洗浄する方法と、汚れたままにしておくことの悪影響についてご紹介していきます。カーエアコンのメンテナンスをしたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
カーエアコンを構成するコンデンサーとは
コンデンサーとは、圧縮されて高温になったエアコンガスを冷却するための部品です。コンデンサーの内部には細い管が複雑に張り巡らされており、管の中を通過するエアコンガスから熱を奪えるような仕組みになっています。
カーエアコンは冷媒と呼ばれるエアコンガスを使って冷気を生み出していきます。冷媒はコンプレッサーで圧縮され、高温高圧の半液体の状態になります。そしてそのままの状態でコンデンサーに送られます。
コンデンサーに送られた冷媒は、コンプレッサーの駆動と同期して、回転するコンプレッサーファンの風によって、低温高圧状態に液化されます。コンデンサーで低温になったといっても、冷たいと感じるほどではありません。
コンプレッサーで約70℃だったものが、約60℃くらいまでにすることがコンデンサーの役割です。冷媒はその後エバポレーターに送られ、冷風となって車内を快適温度に保っていきます。つまりコンデンサーが動かなければ、カーエアコンの冷房を使うことができなくなるということです。
液化するときに熱を奪うのが最大の目的
コンデンサーはエアコンガスの熱を奪うものですが、その最大の目的は冷媒であるエアコンガスを冷却して液化させること。カーエアコンの冷房は液化されたエアコンガスを噴射したときの気化で空気を冷やしているので、エアコンガスが気体のままでは機能しません。
コンデンサーはファンを使って、温かくなった空気を外に出す扇風機のような役割をしている部分なので、カーエアコンをつけている車に近づくと熱く感じるのはこのためです。エアコンガスが液化するときに奪った熱が、車外に逃されている証拠が空気の熱さです。
コンデンサーが汚れることによるトラブル
コンデンサーは高温高圧になった冷媒を冷やす熱交換器です。
コンデンサーのトラブルはカーエアコンが冷えないことに直結します。
コンデンサーが汚れる原因
コンデンサーのトラブルとして考えられるのは目詰まりです。ただ目詰まりと一口にいっても、その原因は多様です。
- コンプレッサーが何らかのトラブルを起こし、それが原因での汚れ
- コンデンサーファンにゴミやホコリが付着
汚れが引き起こすトラブル
ゴミやホコリが付着することでコンデンサーファンが目詰まりすると、回転数が低下します。
結果として70℃まで高温高圧になった冷媒を冷やすことができなくなり、カーエアコンが冷えないということになります。
コンデンサーを洗浄する方法
コンデンサーは水で洗浄したり、ゴミやホコリなどの異物を取り除くことで冷却効果が回復します。
洗浄には業者に依頼する方法と、ご自分で洗う方法があります。
業者による洗浄
コンデンサーはエンジンルーム内、ラジエータの前の一番むき出しになっている部分です。
業者にお願いする場合、大きく分けて分解洗浄と高圧洗浄の2種類があります。分解洗浄は、コンデンサーを取り外して洗う方法。高圧洗浄は高圧水流のカー用品専用の機械を使って洗浄していく方法です。
ディーラーや自動車の整備工場などでやってもらえますが、数日かかる場合もありますし、一緒にコンプレッサーオイルの確認などをお願いすると、カーエアコンが冷えにくい原因が一気に解決する可能性があります。
自分で洗う
もちろん自分でコンデンサーを洗うこともできます。エバポレーターを洗浄するためのスプレーを使うことも可能ですが、台所のガス台の油汚れを落とす専用の洗剤を使っても、汚れを落とすことができます。
- 洗剤をスプレーボトルに詰め、エンジンルーム内のコンデンサーもたっぷり吹きかけます。
- 奥までたっぷり吹きかけていきますが、コンデンサーフィンがつぶれないように気を付けましょう。
- 吹きかけ終わったら2~3分ほど放置。汚れを溶かしていきます。
- シャワーで汚れと洗剤成分を洗い流していきます。
このとき、完全に洗剤の成分を流すように、入念に水洗いすることが大切です。個人でコンデンサーを洗浄する際、注意したいのが最後に水洗いする時の水流の強さです。
家の外壁を洗ったりするために、一般家庭でも高圧水流の機械を持っている方もいらっしゃると思います。確かに急水流はコンデンサーに付着したゴミなどを吹き飛ばすのに便利ですが、コンデンサーは繊細な機器です。
一般的な高圧洗浄機を使う場合は、激しい水流でコンデンサーを痛めてしまう可能性があるので注意が必要です。
コンデンサー洗浄にかかる費用はどれくらい?
コンデンサーを洗浄する場合、ディーラーや整備工場などではコンデンサーの脱着だけで1万円前後かかるところが大半です。これに洗浄代がかかるので2万円前後はかかると思っていたほうがよいでしょう。
ご自分で洗浄する場合、台所用の洗剤を使えば数百円ですみますが、洗い流しの際は水圧をうまく調整することが難しい場合もあるかもしれません。
トラブルを防ぐ定期的なメンテナンスと洗浄
カーエアコンのトラブルを防ぐためには、コンデンサーだけでなくエバポレーターの洗浄も行うようにしましょう。エバポレーターとはカーエアコンの熱交換器のことで、温度差により結露しやすいためカビが生えやすい部分でもあります。
また細かな網目状になっていることから、埃やゴミ、花粉などの汚れが付着しやすいのも特徴。エバポレーターが汚れるとカーエアコンの風量が弱まったり、冷却性能が低くなったり、送風口から悪臭が漂うようになったりします。
空気の洗車屋さんのDr.BAZOOKA洗浄なら、わずか1時間でエバポレーターをまるで新品のようにキレイに洗浄できます。カーエアコンのトラブルを未然に防ぐなら、コンデンサーとともにエバポレーターの洗浄も行うのがおすすめです。
カーエアコンを快適に使うにはコンデンサー&エバポレーターの洗浄を
カーエアコンを快適に使い続けるには、コンデンサーとエバポレーターの洗浄を定期的に行うようにしましょう。
コンデンサーは高温のエアコンガスを冷却させるという重要な役割を担う部品です。汚れが溜まると回転数が低下して、カーエアコンの冷却性能が低下する原因にもなります。
カーエアコンの寿命は10年といわれています。しかし使い方やガレージなどの環境によって、劣化の速度は違います。コンデンサー、コンプレッサー、エバポレーターとカーエアコンの重要な部品が一度に壊れることは少ないですが、同時進行で劣化していることは十分に考えられます。
コンデンサーとコンプレッサーという壊れたら修理代がかさむ部分のメンテナンスを考慮しながら、エバポレーターの洗浄をプロにゆだねてみるのも1つの方法です。