車内がダニの温床になる危険性大ということをご存じですか。
ダニは昆虫ではなく、クモやサソリの仲間。
カーペットや畳、布団の中などに生息しているのは知られていますが、なぜ車内に生息するのでしょうか。
不思議だと思いませんか。
目次
ダニが発生することによる人への影響とは
世界に5万5千種もいるといわれているダニ。
このうち日本に生息し、私たちの生活を脅かすものには次の5種類があります。
私たちの生活をおびやかすダニ
高温多湿を好むダニは、5月から9月にかけて繁殖期を迎えますが、暖房が発達した近年は、ダニの好む気温20~30度、湿度60~80%という条件を満たすことも珍しくなく、冬でも発生することがあるといわれています。
- ヒョウダニ
体長:0.3~0.mm
エサ:フケ・アカ・汗1gで、約300匹生息できるといわれています。
特徴:ほぼ1年中みられるダニ。カーペットやベット、絨毯などに生息 - コナダニ
体長:0.3~0.mm
エサ:砂糖、乾物、チーズなどの食品
特徴:梅雨時と秋口に増殖。高温多湿を好み増殖すると捕食者であるツメダニも増えます - ツメダニ
体長:0.3~1.0mm
エサ:ヒョウダニやコナダニを捕食します
特徴:梅雨時や秋口に増殖。カーペットや畳に生息。 - イエダニ
体長:0.3~1.0mm
エサ:ネズミの体や巣
特徴:ネズミに寄生。6~9月の繁殖の最盛期には人にも被害があります - マダニ
体長:3~10mm
エサ:人間を含む生物の血液
特徴:肉眼でも確認できる大型のダニ。
人への影響
人間を刺し吸血するダニは、ツメダニとマダニです。
刺されたときは痛みもかゆみもないのですが、2日ほど経つと赤く腫れてかゆくなってくる遅延性のアレルギー性皮膚炎を起こします。
また死骸やフンなどをアレルゲンとする、アレルギーの喘息を発症する場合もあります。
車内でダニが多い場所とその理由
ダニが繁殖しやすい条件は気温20~30度、湿度60~80%です。実は車内はこの条件を満たしているのです。
しかも食べこぼしや人の汗やフケなど、エサも豊富。車内はダニが活発に行動する条件がそろっています。
では車内でも、最もダニが繁殖しやすいのはどこだと思いますか?
フロアマット
最近の車は、車内のすべての床にフロアマットが敷き詰められています。実はこれが格好の隠れ家になります。
しかも雨の日ともなると濡れた傘や靴、洋服などの影響で湿度が上昇。ダニにとっての天国が形成されます。
さらにフロアには食べ物のカスやドライバーの頭皮から落ちたフケなど、ダニのご馳走がたくさん。
まさに楽園状態となっているのです。
座席シート
理由はフロアマットと同じですが、さらに加えるなら座席シートには人間がかいた汗が直接しみ込みます。
これもダニの大好物です。また、つなぎ目や縫い目など、隠れる場所にも事欠きません。
カーエアコン
カーエアコンもダニの温床になりやすい部分です。
といっても全体ではなく、熱交換器といわれているエバポレーターが危険個所です。
エバポレーターはその性質上、高温多湿になりやすく結露が発生します。
この結露がカビを発生させ、ダニを繁殖させるのです。
ダニを除去するための方法
ダニを除去するためには、とにかく掃除しかありません。徹底洗浄がダニ退治の早道なのです。
フロアマットのお掃除は、
- 外に出し、叩いてホコリをとる
- 台所用の中性洗剤を使い、ブラシでこすり落とす
- よく乾かす
- 完全に乾いたら車内に戻す
座席シートのお掃除
- 布団叩きなどでたたいてホコリを取り出す
- 掃除機をかける
- 台所用中性洗剤を薄めた液で雑巾を固く絞り、汚れをふき取っていく
- 水拭きをする
- 乾いたら完了
カーエアコン
カーエアコンといっても、ダニに関してだけいえば掃除の目的はエバポレーターに絞られます。
エバポレーターの洗浄方法は、市販の洗浄スプレー、分解洗浄、高圧洗浄という大きくわけて3種類あります。
まず市販の洗浄スプレーですが、エバポレーターが構造自体複雑で、奥まった場所にあることなどから、市販のものでは完全に落とすことは不可能です。
また薬剤は噴霧できても洗い流すことができないので、新たなダニの温床になる危険性があります。
分解洗浄は、効果は高いのですが、比例して費用も高額になり10万円を超えるともいわれています。
さらに日数も1週間以上と長期になります。
高圧洗浄は世界でただ1社、クリーンデバイス・テクノロジー株式会社が開発した方法で、「Dr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)」と呼ばれているものです。
まず、薬剤を高圧で噴霧。ダニやカビなの汚れを落とします。
次にやはり高圧の水流で、汚れと一緒に薬剤も洗い流します。
同社が独自に開発した器具を使って行うこの方法は、国産の普通車なら作業時間は1時間ほど、費用も2万5千円~とリーズナブルです。
ダニ退治は元から断たないとダメ
車内でのダニ退治でやってはいけないことは、防虫スプレーを使うことです。
車のような密閉された空間で使うと薬剤が残ってしまう危険性があり、その残った部分が新たなダニを呼び寄せる原因になり兼ねないからです。
安心、安全にダニを元から断つ方法を選んでください。