外気温が30度を超える真夏日、炎天下に車を駐車しておくと車内の温度が50度を超えるといわれています。そんな時にカーエアコンをつけても、直ぐに冷えない感じがするというのは気のせいなのか、少し調べてみました。
目次
カーエアコンの効果には外気温が関係する?
室外機に設置されたコンプレッサーの回転数を制御することで、温度設定をしている家庭用のエアコンと異なり、カーエアコンはまったく異なる温度調整をしています。
カーエアコンの温度調節とは
カーエアコンは、エアコンガスを圧縮・気化させるコンプレッサーで冷房を行い、暖房を冷却水を利用するサーモスタットが行う二重構造をしているため、温度調整の仕組み自体も冷房と暖房では違っています。
冷房の場合、まずコンプレッサーでエアコンガスを圧縮。次にエバポレーターという熱交換器を通過することで、冷たい風となり送風口から送りだされます。
ここで問題になるのが、コンプレッサーです。コンプレッサーはエンジンと直結して稼働している装置です。
夏の暑い日にカーエアコンを作動させると、コンプレッサーの稼働によってエンジンに負担がかかり、回転率が低下。その結果、燃料を多く消費することになります。夏場、車の燃費が悪くなるといわれるゆえんです。
車内温度>外気温の場合のカーエアコンの使い方
効率よくカーエアコンを使うためには、カーエアコンに設置されている内気循環、外気循環(導入ともいう)を使い分けることをおススメします。
内気循環と外気循環の違い
内気循環、外気循環は、冷房や暖房というより外気を取り入れるためのシステムで空調のことです。
内気循環は、夏場の車内の熱気を素早く冷やしたい時や、汚れた外の空気をシャットアウトしたい時などに有効です。
一方の外気循環は、外の空気を取り入れたい時や、車の中と外の温度差で窓が曇ってしまった時の解消などに効果があります。
車内温度>外気温の場合は内気循環から外気循環に切り替える
車内の温度が外気温より高い、という現象は夏場によく見られるものです。
真夏の日中、炎天下にさらされた車内の温度は、50度以上になることもあります。
こんな時に乗車して、直ぐにカーエアコンの冷房をつけても、コンプレッサーがフル稼働する時間が長くなるだけで、エンジンへの負担が増し、ひいては燃費の悪化につながります。
まずは室内の温度を下げるようにしましょう。
窓を開けて換気してもよいですし、内気循環で車内温度を下げるのも効果的です。
その後、外気循環モードにしてカーエアコンを作動させると、コンプレッサーがフル稼働する時間が短縮できますし、快適な車内温度にも早く達することができます。
車内温度<外気温の場合のカーエアコンの使い方
車内の温度が十分に下がり、外気温より低い場合、こんな時は内気循環モードでカーエアコンを稼働させると、カーエアコン自体への負荷が軽減され、燃費の向上へもつながります。
内気循環でカーエアコンを作動する際は換気に注意
内気循環モードは、基本的に車内だけで風を循環させるシステムです。
この状態で長時間運転すると、CO2、二酸化炭素の濃度が上がってしまう可能性があり、眠くなる場合があります。
内気循環でカーエアコンを作動させる時は、快適だからいって窓の締切には注意してください。少なくとも30分から1時間に1度、定期的に切り替えたり、空気を入れ替えることが安全運転につながります。
カーエアコン自体の不調が原因のこともある
カーエアコンの性能がもっとも悪化するのは、真夏の渋滞時だといわれています。
夏の暑さに加え、渋滞によるノロノロ運転で、本来、走行時に取り入れられる風、走行風を取り入れらないため、冷房が効かなくなることがあるのです。
しかし走行にも問題ないのにカーエアコンが効かない場合は、エアコンガスの不足や漏れ、コンプレッサーやエバポレーターの故障など、システム自体の不具合が考えられます。
こうなったら内気循環を使っても、外気循環を使ってもカーエアコンは効果を発揮しません。早い段階で修理に出すことをおススメします。
カーエアコンの効率アップは燃費のアップにつながる
暑くても寒くても、快適に使いたいカーエアコン。現代のカーライフには欠かせない存在ですよね。
しかも正しい使い方をすることで燃費まで違ってくるのですから、これはもう実行するしかありません。
でもそれを支えているのは、日頃からカーエアコンのメンテナンスを欠かさないということです。クリーニングなどをきちんとしていれば、きれいな風を感じながらのドライブを楽しむことができます。