早い地域では1月の下旬から飛散が始まる花粉。
今や国民の4人に1人がかかっているといわれている、まさに国民病といっても過言ではない花粉症です。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、涙目、充血と人によって症状はさまざまですが、車に乗っていれば安心と思っていませんか。
実は車内にいても安心できないこともあるのです。
目次
花粉対策にはカーエアコンフィルターを有効活用しよう
花粉が飛散する中を車で走らせていれば、フロントガラス、ドア、車体、ボンネットなど車体に花粉が蓄積されます。
車内にはエアコンフィルターで本来侵入しないはずなのですが、近年違ってきているようです。
エアコンフィルターの役目
エアコンフィルターは、家庭用エアコンの室内機にあたる箇所で、国産車の場合、多くがグローブボックスの奥あたりに配置されています。
エアコンのスイッチを入れると、ブロアファンによって車内に空気が取り込まれるのですが、取り込まれた空気と一緒にまざっているホコリやゴミ、花粉などの遺物を除去しているのがエアコンフィルターです。
言い換えれば、車内でエアコンを使う際に空気をきれいにしてくれる部品なのですが、汚れがたまりやすい部品でもあり、汚れをためたままにしていると目詰まりを起こし効果が激減します。
花粉に強いカーエアコンフィルターとは
花粉症以外にも黄砂やPM2.5など、近年カーエアコンフィルターを酷使する要素が増えています。
それを反映してか、カー用品専門店に行くと、高性能のフィルターがみられるようになりました。
一般的なものはフィルターの目の大きさが100ミクロンくらいなのですが、これではホコリはシャットアウトできても花粉は通してしまいます。
花粉対策を考えるのでしたら、30ミクロン以下のものを選ぶようにしましょう。
さらに小さいサイズであればPM2.5も防ぐことが可能です。
カーエアコンフィルターの交換方法
カーエアコンのフィルターは自分で交換も可能ですが、車種や機種によって形状が異なります。
きちんと把握してから行いましょう。
国産車の場合の交換の手順
国産車の場合、通常カーエアコンのフィルターはグローブボックスの奥にあります。
- グローブボックスを外します。
奥にケースがある場合やそれを開けると引き出せる場合と、車種によって異なります。 - カーエアコンのフィルターを外します。
外からだと枠が見えますので、引っ張りだします。 - 枠をそのまま使い、フィルターを交換します。
フィルターには上下の向きがあるので気をつけてください。 - フィルターをはめ、グローブボックスをもとに戻して終了です。
慣れれば数分で終わる工程です。
カーエアコンフィルターの交換目安と費用相場
カーエアコンを使う頻度、使い方によっても異なりますが、1万キロ走ったら交換したほうが良いとか、1年に1回などよく目にします。実際はどうなのでしょうか。
早春と晩秋、年に2回(半年に1回)がベスト
地球環境の悪化はカーエアコンのフィルターにも過酷な状態を強いています。
以前なら年1回でも大丈夫だったのでしょうが、現在では無理です。
なぜ、年に2回(半年に1回)なのか。なぜ早春と晩秋なのか。疑問に思う方もいると思います。
まず、早春はおわかりだと思いますが、花粉が飛来する前ということです。
そして晩秋とは、実はカーエアコンのフィルターはカビの温床でもあるのですが、大阪市立環境科学研究所の濱田信夫先生の「カーエアコンとカビ汚染」という論文によると、乾燥する冬のほうがカーエアコンをいれた際のカビの飛散する量が多いという報告がされているのです。
出典:-特集- 車室内空気質の問題と対策 カーエアコンとカビ汚染/大阪市立環境科学研究所 濱田信夫
クリーンで快適なカーライフを楽しむためには、年に2回(半年に1回)の交換をお勧めします。
フィルターの値段
フィルターは機種によって使うものが異なりますが、当然花粉対策、PM2.5対策に適しているもののほうがお値段は高くなります。
それでも1,000円台から2,000円台が中心ですので、使いやすいものを見つけてください。
内部にたまる花粉の除去も大切
カーエアコンは、冷房と暖房でシステムの違いはあれ、どちらも循環しながら冷風と温風を送りだしています。
フィルターの交換だけではクリーンな空気は生まれない
花粉やホコリは、エアコンフィルターだけではなく、エアコン内部にも蓄積していきます。
最も注意したいのはエバポレーター。熱交換器と呼ばれている部品です。
エバポレーターは、運転席の足元、フィルターよりさらに奥にあり、性質上、カビの温床になりやすく、花粉や雑菌がたまりやすい場所でもあります。
フィルターだけ交換してきれいになっても、エバポレーターが汚れていれば、クリーンな車内は生まれないのです。
エバポレーターの洗浄はプロに任せるのが安心
カー用品専門店に行くとエバポレーター洗浄用のスプレーが市販されています。
手軽にお掃除できるとうたっていますが、エバポレーターは構造が複雑なうえに、奥まった部分にあるため、市販のものでは十分な対応ができません。
確実で精度が高く、安全な方法を選ぶのであれば、プロの手を借りるのをお勧めします。
方法は2種類で分解洗浄と高圧洗浄です。
分解洗浄はディーラーや整備工場に持ち込み分解し洗浄してもらう方法ですが、1週間以上に日数と10万円以上の費用がかかるのが難点です。
一方の高圧洗浄は、クリーンデバイス・テクノロジー株式会社が独自に開発した器具を用いた方法で、特許を取得している「Dr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)」と呼ばれているもの。
国産の普通車の場合、わずか1時間という短時間で済むうえ、費用も2万円5千円~とリーズナブルなのに効果は保証できるという方法です。
じっくり検討してみてください。
花粉症はドライバーの大敵
運転する人間にとって注意をしなければならないのは、花粉症の症状によって運転中の注意がそがれることです。
また、花粉症を抑える薬として用いる抗ヒスタミン薬には、副作用として眠気を誘う場合があり、居眠り運転につながりかねません。
外から持ち込まないことも大切ですが、侵入させないことも重要です。
そのためにフィルター交換であったりエバポレーターの洗浄が大切になってきます。