久しぶりにカーエアコンのスイッチを入れたら、嫌な臭いがして思わずスイッチを切ってしまったという経験をされた方も多いと思います。
実は、最初だけ臭いという原因は、カーエアコンの内部にこびりついた汚れが原因なのです。
目次
カーエアコンをつけると最初だけ臭い原因
カーエアコンから異臭を放つ原因は、タバコのヤニ、車内で食べた食べ物の臭い、汗やペットなどの臭いと何種類もありますが、最初だけ臭い原因になるのは、カーエアコン内部に繁殖したカビなどのバクテリアなのです。
カーエアコン内部はカビにとって最高の繁殖地
カビは生命力の強い生き物です。70%以上の湿度、20~30度の温度、ホコリ・汚れ・ダニなどのエサ、という環境が揃えば旺盛な繁殖力を見せます。実はこの条件にピッタリと合致するのが、カーエアコンの心臓部ともいえるエバポレーターなのです。
専門家も警鐘を鳴らすほどで、大阪市立環境科学研究所の濱田信夫先生は論文「カー汚染とカビ汚染」で、「エバポレーターの周りは多くの結露が見られ、カビの温床になっている」と報告もなされています。
参考:『カーエアコンとカビ汚染』
時間の経過とともに臭いが軽減する理由
エバポレーターがカビの繁殖条件である高い湿度、適度な温度という条件を満たすのは、エンジンが停止した後。つまりカーエアコンを切った後ということです。
カーエアコン作動時は、エバポレーターの周囲はカビが繁殖しやすい温度よりも低くなっており、プラスして冷風を作るために常に水分が流れている状態になっているためカビが流され、そのために最初は臭かったエアコン臭が軽減されるのではないかと考えられます。
臭いを改善する対策方法
カーエアコンの異臭対策に慌てて芳香剤を買ってきたけれど、効果がなかったという経験をされた方もいるかと思います。
芳香剤は異臭に芳香剤自体の香りを上乗せしただけなので問題の解決にはなりません。
対処に限度がある消臭剤
手軽にできる異臭対策として、一般的に使われるのが消臭剤です。
ただ消臭剤は、車内に漂う臭い臭いには対応できますが、エバポレーターという奥まった部分に巣食った悪臭の原因まで根絶やしにすることはできません。あくまでも応急処置の範囲です。
悪臭の軽減につながるエアコンフィルター洗浄や交換
冷気を吹き出すために、必要な空気を取り入れる場所についているのがエアコンフィルターです。本来の目的は空気を取り入れる際、ゴミや異物をフィルターで除去し、エバポレーターが損傷しないためにあります。
家庭用のエアコンでもそうですが、外気の汚れを一手に引き受ける場所なので、ゴミやホコリといったカビの好物がたくさん付着しています。最初に臭いエアコン臭の軽減にはつながります。
効果が期待できるエバポレーターの洗浄
最も効果が期待できるのが、カビの温床になっているエバポレーターの洗浄ですが、その方法が問題です。
自分でエバポレーターを洗浄する方法として、エバポレーター専用の洗浄スプレーがあります。
カー用品の専門店に行けば1.000~2.000円代で購入することができますので、お手軽でもあります。しかし洗浄スプレーには問題もあります。
エバポレーターは車内の奥まった部分にある装置。もちろん外から実物を見ることはできません。
専用とはいえ、洗浄スプレーでは噴霧した薬剤が全体に行き渡らない可能性がありますし、噴霧した薬剤では汚れは落としきれず、汚れを含んだ薬剤も洗い流すことができないため、それが新たなカビの温床になる可能性があります。
最初に出る悪臭を一瞬消すことができても根本解決には至りません。
臭いの根本的解決にはエバポレーターの洗浄が効果的
カーエアコンをつけた際に、酸っぱい臭いとともに車内に放出されるカビは、アレルギー疾患など人体に悪影響を及ぼす可能性も否定しきれないので、ぜひとも根本的な解決をしたいところですが、その方法は大きく分けて2種類あります。分解掃除と高圧洗浄です。
費用も日数もかかる分解洗浄
分解洗浄はそのものずばり、カーエアコンを分解し、丸洗いする方法です。ディーラーや整備工場にお願いして行う方法で、日数は1週間から10日、費用も10万円以上かかります。
日数もかかりますし費用的にも割高ですが、効果は保証できます。
1時間でOKのリーズナブル価格の高圧洗浄
器具と方法を独自に開発したのが、高圧洗浄です。
まずオリジナルの器具を使い、エバポレーター内に薬剤を噴霧、カビやホコリ、汚れを落とします。その後、高圧の水流でカビや汚れを含んだ汚れを洗い流していきます。
国産の軽自動車で、作業時間は1時間ほど。費用も25.000円(税別)~とリーズナブル。時短で安価なのに分解洗浄にも劣らない高い効果を発揮します。
カビ対策は終わりなき戦い
高温多湿の日本は、もともとカビの繁殖しやすい風土。その日本の中にあって、もっとカビが大好きな環境なのがカーエアコンの心臓部ともいえるエバポレーターです。
一度きれいにしても、条件さえ揃えばまた繁殖し始めるので、カビとの闘いに終わりはありません。洗浄方法を選ぶ際には、その点も考慮し、効果が確実で、なおかつコスパの高い方法を選んでください。