「カラカラ」「キュルキュル」「ブーン」「ジー」「ギギギ」 これ何だか分かりますか?
実は、カーエアコンをつけたときに聞こえる音、異音なんですが、カーエアコンからのSOSなんです。
カーエアコンから異音がする原因とは?
暖かくなってカーエアコンを使うようになってくると、相談が増えてくる異音。
以前は何ともなかったのに…と、戸惑った経験をお持ちドライバーさんもいるかと思いますが、異音の原因は、カーエアコンに関する部品のどこかにトラブルが発生している可能性があるんです。
原因はいくつか考えられますが、以下のようなものが挙げられます。
- ブロアファンモータが故障している場合
- ホコリなど異物がつまっている場合
- コンプレッサーの故障がある場合
ここで、それぞれのケースでどのような異音がして、どんな対処が必要なのかをご紹介していきます。
「カラカラ」「キュルキュル」という異音がする原因と対処法
何かを砕いたような「カラカラ」という異音や、スリップしているようなく高音の「キュルキュル」という音が、助手席のあたりやカーエアコンの送風口あたりから聞こえてきた場合、ブロアファンモーターの故障が考えられます。
原因
ブロアファンとは送風機のこと。エバポレーターで作られた冷たい風を、車内に送り出している装置です。
このブロアファンが故障すると、スイッチをONにしても送風ができないというエアコン自体が機能停止状態になります。
また、完全に停止せず、不規則に稼働と停止を繰り返すこともあります。
対処
ブロアファンが故障した際は、新品との交換になります。
車種によっても異なりますが、ブロアファンだけなら、本体価格は5千円~数万円前後です。
インターネットでも購入でき、自分で交換することもできますが、不安ならプロに依頼するほうが安心です。
車のエアコンから「ブーン」という音がする原因と対処法
カーエアコンのスイッチを入れると内部から「ブーン」という音がするときは、ホコリやゴミなどの異物が詰まっていることが考えられます。
原因
異音の原因となる異物は1種類ではありません。
空気中に漂っているホコリ、車内で食べた食べ物のカス、同じく車内で吸ったタバコから出るヤニなどですが、ゴミがつまるほどカーエアコンが汚れているということは、エバポレーター内部にカビが発生、付着していることも考えられます。
ゴミなどが詰まりカビが発生した状態のままカーエアコンを使っていたら、最悪の結果を招く危険性もあります。
喘息やアレルギーといった疾患を発症することもあり得ます。
対処
ホコリやゴミ、カビといった異物に起因するブーン音を止めるための方法は1つです。
掃除をし、カーエアコンをきれいにするしかありません。
エアコンの蓋を開けた段階でわかる程度のゴミやホコリなら、掃除機で吸い取ったり、市販されている洗浄スプレーを使えばきれいにすることはできます。
でも、それでは根本的な原因を取り除けてはいません。問題は、直接に見ることはできないエバポレーター、熱交換器です。
カーエアコンを使っている間は常に高温多湿状態にあるため、カビやバクテリアの発生源になっているのです。
エバポレーターをブーン音が出ないほどきれいにするためには、プロにゆだねるしかありません。
1つは整備工場などに依頼する分解洗浄。分解して洗浄するため、時間も数日かかりますし、費用に10数万円かかります。
もう1つの方法は独自に開発した器具を使って行う高圧洗浄です。
専門的に高圧洗浄を行っている会社は、国内では1社だけですが、国産の普通車なら時間は1時間ほど、費用も一般なら4万円、会員になれば持ち込みなら2万5千円と非常にリーズナブル。
それでいて分解洗浄と同等の高い効果が期待できます。
健康被害をも引き出しかねないブーン音は、プロの手で問題解決するのがおススメです。
「ジー」「ギギギ」という異音がする原因と対処法
カーエアコンのONにしたときに、「ジー」とか「ギギギ」という異音がエンジンルームから聞こえてきたときは、コンプレッサーの故障が考えられます。
原因
エアコンは、冷媒と呼ばれるエアコンガスを圧縮し気体や液体に変化させることで冷たい空気を作っているのですが、その役目を担っているのがコンプレッサーです。
エンジンルーム内に設置されており、バルブでエバポレーターとつながっています。
エアコンのスイッチを入れたときに、エンジンルームからジーとかギギギといった異音が聞こえてきた場合、コンプレッサーが故障している可能性があります。
対処
コンプレッサーが故障した場合の対処は大きく分けて2種類。
一般的な方法は新品と交換すること。本体価格、工事費合わせて5万~10万円ほどかかります。
もう1つがリビルドと呼ばれる方法です。
リビルドとは中古という意味で、既存のものを取り外して洗浄、再度、取り付けることをいいます。新品との交換よりも費用は押さえられますが、それでも数万円はかかります。
【異常が見つかったら早めの対処が肝心!】
車の部品は消耗品です。
使う頻度や運転の仕方で寿命が変わってきますが、永久に安全が約束されているわけではありません。
異音がするけれども動いているから大丈夫と安易に考えるのはとても危険です。
カーエアコンが発する異音は、車からのSOS。しっかり対処することが安全な走行につながりますし、修理やクリーニングのための費用の軽減につながります。