車1台に対し80本以上のホースが使われていることをご存じでしょうか。
その大半が口径も長さも異なり、車を動かす上で重要な役割を担っています。
それはカーエアコンも変わりません。代表的なものがエアコンホースとドレンホースです。
目次
カーエアコンのホースにはどんな役割がある?
エアコンホースとドレンホース、それぞれ役割が異なります。
エアコンホースとは
エアコンホースは、家庭用エアコンの室外機にあたるコンプレッサーと、室内機にあたるエバポレーターを巡回しているホースで、冷媒であるエアコンガスを運ぶためのものです。
コンプレッサーからエバポレーターにつながれているのが高圧ホース、エバポレーターからコンプレッサーに戻っていくのが低圧ホースといわれ、送るエアコンガスの性質に合わせて区別されています。
ドレンホースとは
ドレンホースは、エバポレーターからボンネット方向に延びているホースで、最終的には車外に通じています。
主な役割としては、カーエアコンを作動させているときに発生した、窓ガラスの曇りや結露の原因となる水分を外に逃がすことで、排水ホースともいわれています。
カーエアコンのホースが故障するとどうなる?
エアコンホースもドレンホースもゴム製ですので、使い続けていくうちに故障することがあります。
ただし用途が異なるためトラブルの性質が違います。
エアコンホースのトラブル
エアコンホースは冷媒であるエアコンガスを運ぶためのホースなので、故障するとカーエアコンの効果が悪くなります。
ドレンホースのトラブル
ドレンホースは余剰水分を排出するホースなので、故障によって水漏れが起こります。
運転席に水たまりができた場合はドレンホースの故障を疑ってください。
カーエアコンのホースが故障する原因
故障の原因も、エアコンホースとドレンホースでは異なります。
エアコンホースの故障の原因
エンジンルームから車内へ、さらにエンジンルームに戻ってくるエアコンホースに求められるのは、気化と液化を繰り返すことで冷たい風を作り出す冷媒、エアコンガスをきちんと運ぶこと。
ただし起動するエンジンの振動を直接受ける場所にあるので、故障の原因も振動による亀裂などが多くなっています。
ドレンホースの故障の原因
一方のドレンホースは、流れているのは不要になった水ですが、その水垢が溜まったり、車外とつながっていることから、外からの異物、ゴミや葉っぱなどが詰まることもあります。
さらに口径が小さかったり大きかったりと、合っていないこともあります。
カーエアコンのホースは自分で修理や交換できる?
エアコンホースやドレンホースを自分で修理や交換できるかと問われたら、専門的知識のない方には難しいとお答えするしかありません。
エアコンホースにしろ、ドレンホースにしろ、ホースだけでは修理も交換もできません。
ジョイント部分の口金やパーツが必要になりますし、専門の工具も必要です。
また、設置されている場所がコンプレッサーやエバポレーターなど、間違って傷つけたり壊したりすると修理費用が高額になる可能性があります。
ただしドレンホースの場合は、ホースの出口に葉っぱやゴミが詰まっていれば自分で取り除くことはできます。
亀裂に関してはプロにお任せしたほうが無難でしょう。
業者に依頼する場合にかかる費用や時間について
自分でできない場合どこにお願いすればよいかというと、まずはディーラー、整備工場があげられます。
修理を請け負っているカー用品専門店やガソリンスタンドなどでも可能なこともあります。
気になる修理に要する日数と費用ですが、ディーラーや整備工場では3日から1週間ぐらいと思ったほうがよいでしょう。
費用ですが、工費を含めてドレンホースの場合は5,000円から20,000円くらい。エアコンホースは高圧、低圧ともに3万円前後です。
日頃のメンテナンスで修理を回避
車はそれ自体が精密機械です。ただ、いくら走行実験が行われているといっても、振動を原因としたトラブルは免れません。
特に快適なカーライフに欠かせないカーエアコンは、故障した箇所にもよりますが修理費用が高額になる可能性があります。
日頃のメンテナンスとプロの目による点検を行いながら、ご自分の車のカーエアコンを定期的に見直してみませんか。
エアコンの効きが悪くなっていたり、臭いが気になり始めた場合は、エアコン内部に汚れが蓄積している可能性が高いので、エバポレーターの洗浄も併せて検討されることもおすすめいたします。