カーエアコンの構造はどうなっている?意外と知らない仕組みを徹底解説

カーエアコンの構造はどうなっている?意外と知らない仕組みを徹底解説

カーエアコンの構造と構造部品の役割について解説する記事です。

家庭用の乗用車だけでなく、トラックにバスなどすべての車に標準装備されているカーエアコンですが、1台の機械で冷やしたり温めたりすることが可能なのはどうしてか、不思議に思ったことはありませんか。

カーエアコンから出る風を作り出すのはエアコンガスですが、エアコンガスが空気を作り出すには5つの構造部品が欠かせません。カーエアコンはどのような構造になっているのか、原理や部品ごとの働きも含めて解説していきます。

カーエアコンが冷風・温風を出す原理

カーエアコンの原理をわかりやすく解説

スイッチ1つで冷房になったり暖房になったりするカーエアコンですが、実は原理はまったく異なっているのです。

冷媒と呼ばれるエアコンガスで冷風を送る

カーエアコンの冷房は、冷媒と呼ばれる常温では気体のエアコンガスを使って冷風を作ります。エアコンガスを高温高圧状態に圧縮して、まず液状化させます。

液体となった冷媒が、再び気体に戻ろうとして蒸発する気化熱を利用して、急速に空気を冷やしていきます。気体から液体へ、さらに気体となる。これを繰り返すことで冷風を作り続けています。

エンジンの熱を利用している暖房

一方の暖房は、車最大の熱源であるエンジンを使っています。車にはエンジン内を循環し熱を逃がすことで、オーバーヒートを防ぐ冷却水が搭載されています。カーエアコンの暖房は、この冷却水を利用しているのです。

エンジンによって加熱された冷却水を、ダッシュボードの奥に設置されているラジエーターまで引き込み、ブロアファンによって車内に送り出していきます。車という限られた空間を最大限に利用して生み出しているのが、カーエアコンの冷房と暖房なのです。

カーエアコンの構造

カーエアコンの構造

カーエアコンの冷房システムは、家庭用のエアコンの室外機にあたるコンプレッサーとコンデンサーがエンジンルーム内に、そして室内機にあたるエバポレーターが車内、前の席の足元にあります。

エンジンルーム内

エンジンからコンプレッサー、さらにコンデンサーと連動しているのが、室外機にあたるエンジンルーム内のカーエアコン機器です。

エンジンルームに収められているカーエアコン構造部品は次のとおりです。


・コンプレッサー
・コンデンサー
・レシーバータンク
・エキスパンションバルブ

エンジンルームではこれらの部品の間をエアコンガスが循環して、空気を冷却し、作り出した風を車内に送り込んでいます。

外気はコンデンサーから取り入れられ、レシーバータンクやエキスパンションバルブを順に通過して、エンジンルーム外にあるエバポレーターを通過した後にまたエンジンルームへと戻り、コンプレッサーからコンデンサーに戻る…という流れを繰り返しています。

作動確認などエンジンフードを開けることで確認はできますが、場所的にゴミや埃が溜まりやすく、定期的なメンテナンスを心掛けることが重要です。

車内

最終的に冷風を作り出す熱交換器であるエバポレーター、そして冷風を送り出す送風口は、車内前方の運転席の足元を中心にした位置に設置されています。

エバポレーターは、熱交換器という構造上の問題で、常に高温多湿状態にあり、ゴミやホコリが溜まりやすく、さらにカビなどの雑菌が繁殖しやすい状態が続いています。

そのため悪臭の温床になっていたり、人体に害のある雑菌を胞子が霧散するなど、気を付けないと車内の環境を悪化させる原因となります。しかし奥まった場所にあること、複雑な構造をしていることなど、洗浄がしにくい状態にあります。

カー用品専門店にいくとエバポレーター専用の洗浄スプレーを売っていますが、複雑な構造をしているので隅々まできれいにできるのか疑問になります。

カーエアコン構造部品の役割

カーエアコンの仕組み

カーエアコンはエンジンルーム内も含め、さまざまな部品から構成されています。カーエアコンの構造部品にはそれぞれどのような役割があるのか、5つの部品について見ていきましょう。

コンプレッサー

エアコンガスを充填し、最初に圧縮するための設備で圧縮機と呼ばれています。約70℃の高温高圧化することで半液体状態にします。

エアコンのスイッチを入れたときに、まず作動するのがこのコンプレッサーで、エアコンの心臓部分とも言われる重要な部品です。

コンデンサー

凝縮器とも呼ばれています。コンデンサーファンによって強制的に熱を奪いとり、約60℃まで冷やし液状に変化させます。コンデンサーの役割は、コンプレッサーにより熱せられたエアコンガスを冷やすこと

内部には細い管が複雑に配置されていて、その管の中にエアコンガスを通すことにより熱を放出させて液状冷媒へと変化させるのです。またアルミ製のフィンを持つことにより、さらなる放熱効果を発揮します。

レシーバータンク・ドライヤー

分離・乾燥機です。ガス状と液状が混在している冷媒をそのまま蓄え、双方を分離することで液状の冷媒からゴミや水分を取り除いていきます。「レシーバー」「リキッドタンク」と呼ばれるものも同じです。

エキスパンションバルブ

膨張弁と呼ばれています。レシーバータンクで不純物が除去されてきれいになり、低温高圧状態になった冷媒は、エキスパンションバルブに空けられている微小な穴から、エバポレーター内に強制的に噴射。一気に気化します。

エバポレーター

熱交換器と呼ばれているカーエアコンの重要な部品です。気化した冷媒は、エバポレーター周囲の熱を奪うことでエバポレーター自体が冷やされ、ファンを通して冷風を送り出します。

また周囲の熱を奪うときに空気に含まれる湿気を取り除き、車内の除湿を行う働きも担っています。

コンプレッサーは特に重要な役割を担う

エバポレーターから送り出された冷媒は、コンプレッサーに戻り再び圧縮され、同じ行程を経て冷風となって車内を爽やかな風を送り続けます。

コンプレッサーに始まり、コンプレッサーに集約されていくカーエアコンの冷房システム。冷媒の正常な循環こそが、暑い夏の快適な車内を約束してくれるわけです。

それだけにコンプレッサーはカーエアコンの心臓部ともいえる、もっとも重要な部品の1つなのですが、コンプレッサーはファンベルトによって、エンジンと連動しながら動く部品です。

コンプレッサーの寿命は10年といわれるほど頑丈に作られているのですが、振動による部品の劣化やガス不足などで、カーエアコンが効かない、動かないという原因になる部分でもありますので、常にメンテナンスを続けることが大切です。

カーエアコンの構造では5つの部品が重要

複雑な構造をしているカーエアコンの洗浄はプロに任せて安心
カーエアコンは複雑な構成となっており、コンプレッサー、コンデンサー、レシーバータンク・ドライヤー、エキスパンションバルブ、エバポレーターという5つの部品がそれぞれの役割を果たしています。

冷たい空気はエアコンガスにより作り出されますが、エアコンガスの圧縮・冷却を行う構造部品がなければカーエアコンは動けません。いずれも重要な役割を担っていますが、特にコンプレッサーやエバポレーターはカギとなる構造部品

エアコンガス、コンデンサーオイル、エバポレーター洗浄スプレーとカー用品専門店に行くと、それなりのお値段で改善できるという商品が売られていますが、車を含めてカーエアコン関連の部品は精密機械です。

特にエバポレーター洗浄は、素人がやったものとプロが行ったものでは、結果に大きいな違いが表れます。プロの仕事でも特許を取得した「
Dr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)
」のように、リーズナブルで効果の高い方法を選ぶことが快適なカーライフにつながります。