不思議なことを耳にしました。
熱交換器という性質上、常に高温多湿状態にあるエバポレーターが凍るというのです。
その原因がサーミスタという部品の故障だというのです。
サーミスタ、ご存じですか?
目次
カーエアコンのサーミスタとは?その仕組みを解説
サーミスタは温度センサーの1つで、温度が変わると電気の流れに対して抵抗値が変化する電子部品です。
サーミスタの種類
サーミスタは大きく分けて2種類あります。
NTCサーミスタとPTCサーミスタです。
車のカーエアコンに使われるのはNTCサーミスタのほうで、温度が高くなると抵抗値が下がり、温度と抵抗値がほぼ同じなため、外気温度センサーとして使われます。
外気温度センサーの仕組み
カーエアコンの外気温度センサーは、温度を計測、車内の表示機器に外気温を表示しますが、この外気温を電気信号に変換させているのがNTCサーミスタです。
NTCサーミスタに伝えられた温度は、適切な抵抗値に変わり、その抵抗値に見合った電流を流します。
表示機器はNTCサーミスタから流れてくる電流を測定し、外気温として表示しているのです。
サーミスタの故障原因と症状
サーミスタが故障すると、温度が正確に計測できなくなります。
故障の原因は劣化。古くなったことによりトラブルが発生することが多いようです。
サーミスタの故障によっておこるトラブル
サーミスタが故障すると以下のようなトラブルが発生します。
- 温度が下がっていないのに下がったと勘違いしてコンプレッサーを止めてしまう
- カーエアコンの効き目が悪くなる
- エバポレーターに発生した結露が凍り、冷気の通り道をふさいでしまう
サーミスタ交換の事例と修理費用の相場
サーミスタの故障は劣化が原因のことが多いため、修理というより交換することが解決への早道です。
部品はカー用品専門店などで2千円前後で販売していますが、素人にはサーミスタが設置されている場所もわかりませんし、そもそもサーミスタにより故障だということもわかりません。
おかしいと思ったら、ディーラーや整備工場など専門家に相談することをお薦めします。
費用としては1万円前後です。
サーミスタに異常がない場合に考えられる故障の原因は?
劣化による故障が一番多いというサーミスタ。言い換えれば、劣化以外で故障することは少ないということです。
つまり、サーミスタの故障自体が特殊な事例なのです。
カーエアコンの効き目が悪くなった、冷たい風が出なくなったら、ほかに原因があることを疑ったほうがよいかもしれません。
カーエアコンの故障の原因として考えられること
- 冷媒ガスが漏れている
- コンプレッサーの故障
- 電磁クラッチの故障
- エキスパンションバルブの詰まり・故障
- 外気温センサー不良
- 配線の断線
- 配管の目詰まり
- 冷媒、カーエアコンガスの入れ過ぎ
- エアコンフィルターの汚れ
- エバポレーターの汚れ
ざっと上げただけでも、これほど多くの原因が考えられます。
これだけあると、特定することは専門的な知識が不足している素人には無理があります。
ディーラーや整備工場など、専門家にお任せするのが無難です。
また、汚れなら自分でも洗浄できそうと考えるかもしれませんが、エアコンフィルターは素人でも交換は可能でも、エバポレーターの汚れは無理があります。
素人に無理なエバポレーターの洗浄
たかが洗浄、と思うかもしれませんが、素人の洗浄では2次被害を起こす危険性があるのです。
カー用専門店に行くと、確かにスプレータイプのエバポレーターの洗浄液が売っています。
ただ、エバポレーターは運転席の足元、見えにくい場所にあります。
そしてその構造も複雑です。
市販の洗浄液では噴射の威力の問題で、全部の汚れが落としきれるのか不安があります。
さらに噴射した薬剤を洗い流せないので、新たなカビなどの温床になる危険性もあるのです。
素人の洗浄よりも確実で効果が高く、お値段も手ごろな方法があります。クリーンデバイス・テクノロジー株式会社のDr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)です。
同社が独自に開発、特許を取得した方法で行う高圧洗浄で、国産の普通車なら1時間ほどの作業時間で済みますし、費用も2万5千円~とリーズナブル。それでいて新品に生まれ変わったような高い効果が得られます。
カーエアコンは精密機械
カーエアコンはエンジンルームにある室外機、車内にある室内機からなる複合機器です。
しかも複雑かつ繊細。素人判断は大けがの素です。
プロの手を借りて大切に使いこなしてください。