家庭用のエアコンは1台で冷房も暖房も可能ですが、カーエアコンは違います。
冷房が冷媒と呼ばれるエアコンガスを使うのに対し、暖房はエンジンの熱を利用して温めます。
システムが異なるカーエアコンの関連用品や部品をご紹介します。
目次
カーエアコン関連用品・部品を詳しくご紹介!
カーエアコンは冷房と暖房ではシステムが異なりますが、家庭用のエアコンの室外機にあたるものがエンジンルーム内に、そして室内機にあたるものが車内にあり、それぞれ連動しながらカーエアコンを構成しています。
冷房の仕組みと暖房の仕組み
カーエアコンの冷房は、冷媒と呼ばれるエアコンガスを冷凍サイクルと呼ばれる気化熱を繰り返し奪う作用、液体、気体、液体、気体というサイクルを繰り返すことで冷たい空気を送り出しています。
一方の暖房は、エンジンを熱源として温風を作りだしています。
このように仕組み自体が異なるため、使う部品も違ってきます。
冷房に使われる用品や主要な構成部品
- エアコンガス
冷たい風を作り出すために絶対に必要なガス。昔はフロンガスが使われていましたが、現在は代替フロンが主流です。
繰り返し使うもので、車種や使い方によっても異なりますが1年で3~5gほど減るといわれており、定期的に点検して少なくなっていれば補填する必要があります。 - コンプレッサー
エアコンンガスを圧縮するための装置。エンジンルーム内にあり、エンジンに取り付けられていて、エンジンの回転をベルトで感知して動きます。冷凍サイクルのスタートである高温高圧状態を作り出します。 - コンデンサー
コンプレッサーで高温高圧状態になったエアコンガスを冷やし、液化する装置がコンプレッサーです。凝縮器と呼ばれており、何層にもなったフィンがつけられて、電動ファンやラジエータファンを使って冷やしています。 - レシーバードライヤー
コンデンサーによって液化されたエアコンガスを、一時的に蓄えておくダンク状の部品です。エアコンガスの不純物やゴミ、水分などを取り除く乾燥剤が入っており、エアコンガスをきれいな状態にします。 - エキスパンションバルブ
膨張弁と呼ばれている装置です。高温高圧で液化したエアコンガスが、ここを通過することで霧状の気体に変化、噴射していく装置です。 - エバポレーター
エキスパンションバブルと連動しているのが、熱交換器と呼ばれるエバポレーターです。冷房システムの心臓部ともいえる部品で、霧状になったエアコンガスを気化させ、周囲から大量の気化熱を奪うことで冷たい風を作り出し、送風口から冷風となって送り出されます。
暖房に使われる用品や主要な構成部品
- ヒーターコア
エンジンを冷却するために循環させているラジエーター液、冷却水を循環させる装置がヒーターコアです。冷房におけるエバポレーターと同様の働きをするのがヒーターコアで、温風を作り出すための重要な部品です。
冷房・暖房に共通している主要部品
- ブロアファン
空気の吸収から送風までを行っているのがブロアファンで、高速回転している装置です。ブロアファンによって吸収された空気、外気は直接エバポレーターやヒーターコアを通過します。 - エコアンフィルター
近年、ブロアファンの前に設置されることが多くなったのがエアコンフィルターです。この段階で外気に混ざっている異物やゴミ、ホコリなどを除去。カーエアコン内に堆積しないようにしています。
以上がカーエアコンに関する主要部品ですが、もちろん単独で動いているわけではありません。バルブなどを通して連動、冷風や温風がスムーズに作られ、送り出されるようになっています。
トラブル対応は専門業者に相談するのもおすすめ
使い方や車が置かれている環境によっても異なりますが、カーエアコンの寿命は10年といわれています。
精密機械ですが、滅多に故障するものではありません。しかしトラブルがまったくないというわけではありません。
カーエアコンで起こりやすいトラブル
- エアコンガスの不足
- コンプレッサーの故障
- エバポレーターの汚れ
カーエアコンで起こりやすいトラブルには上記があげられ、どれもがカーエアコンの性能低下につながります。エアコンガスの不足やコンプレッサーの故障は、冷たい風が出てこなくなりますし、エバポレーターは、高温多湿になる性質上、カビや雑菌の温床になりやすく、嫌な臭いの原因になります。
対策はプロに任せるのが安心で安全
カーエアコンの中でも、修理代が10万円以上かかる高額な部類に入るのがコンプレッサーの故障で、交換するならプロの手にゆだねるしかありません。
ただ不足したエアコンガスの補填やエバポレーターの洗浄は、カー用品の専門店に行くと対応できる商品を販売しています。
しかしエアコンガスは車種によって必要量が異なりますし、ガス圧をはかるための専門の工具なども必要になります。何よりも入れ過ぎは故障の原因になります。
またエバポレーターのスプレータイプの洗浄液が売られていますが、複雑な構造をしている上に奥まった場所にあるため、市販のものでは十分な洗浄ができないのが実情です。
エアコンガスの補填ならディーラーは整備工場に、エバポレーターの洗浄なら特許を取得している高圧洗浄、Dr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)を試してみることをおススメします。
カーエアコンの交換は車の買い替えサイン
カーエアコンが故障したら、車自体の買い換えを検討される方が多いといいます。
それだけ現代のカーライフにとって重要なものだということです。ただ日頃のメンテナンス、プロの手によるクリーニングや点検、走行時の異音の有無など、注意や手をかけることで10年の寿命を延ばすことは可能です。
大切な車です。プロの手も借りながら長持ちさせてあげてください。