新型コロナウイルスの変異型が話題になっていますが、自然界では、このコロナウイルスのように人間の考えの及ばないことが起こりえます。
今や現代病ともいえる花粉症を誘発する花粉も、決して例外ではありません。近年、花粉が微細化した“砕けた花粉”が問題になっているとご存じですか。
目次
車内の花粉症対策の必要性
砕けた花粉の原因は、同じ時期に中国大陸から飛んでくる黄砂によるものです。
黄砂で花粉が砕けた花粉になる理由
黄砂は中国大陸の内陸部の砂漠地帯、タクラマカン砂漠やゴビ砂漠、黄土地帯などから風によって巻き上げられた多量の砂や塵が、上空を吹く偏西風によって運ばれ、浮遊しながら落下をする現象のことです。
大気中に舞い上がった粒子の中でも、粒径が10マイクロメートル以上の比較的大きなものはすぐに落下しますが、粒径が4マイクロメートル以下の小さな粒径のものは、気流に乗って日本に流れてきます。
そして浮遊する間に車の排気ガスなどと反応して、硝酸カルシウムや硫酸カルシウムなどの物質に変化していきます。
この変化した黄砂と同じく浮遊している花粉が接触すると、花粉のほうがもろくなり破裂し、微細化した「砕けた花粉」となるわけです。
どのくらいの大きさになるのかというと、数年前までは30~40マイクロメーター、1マイクロメーターは1000分の1mmなので、これでも小さいのがおわかりいただけると思いますが、砕けた花粉は2マイクロメーターしかないといわれています。
1mmを1mに換算すると、これまでの花粉は3~4cm、砕けた花粉なると2mmということになります。
これだけ微細化しているのですから、車内の花粉対策をしっかり行う必要を感じますよね。
安全運転の観点からも花粉対策は必須
花粉症の症状として知られているのは、クシャミ、涙、鼻水ですが、それを抑えるためには、抗ヒスタミン薬を服用します。
この全ての症状に、安全運転を阻害する危険性があるのです。
- クシャミ、涙、鼻水の危険性
花粉症の症状としてはどれもおなじみのものですが、涙と鼻水は運転の際の集中力や注意力を低下させてしまいます。また、クシャミは1回するごとに約0.5秒、瞼を閉じているといわれています。時速60㎞で走行している場合、0.5秒の間に約8mも進んでいる計算になります。1回のクシャミで、大事故を引き起こす結果にもなるのです。 - 抗ヒスタミン薬の危険性
花粉症の薬としておなじみの抗ヒスタミン薬は、眠気や集中力を低下させるという副作用があることがわかっています。効果が高いことからドライバーでも服用されている人も多いのですが、服用したら運転しない、を徹底させることが大切です。
車の花粉症対策のやり方を解説
車の花粉対策は「車内に花粉を侵入させない」ことと「車内の花粉を取り除く」ことが重要です。
車内に花粉を侵入させない方法
車内に花粉を侵入させないためには、ドライバーを含めた人間対策と車対策の2つがあります。
- 人間対策
・花粉が付きにくい衣服を着用する
・静電気防止スプレーを使い、座席シートや衣服に花粉が付着するのを防止する
・乗車する前に、体に付いた花粉をコロコロなどで取り除く - 車対策
・ドアの開閉を最小限にする
・窓の開閉を最小限にする
・カーエアコンのエアコンフィルターを高性能のものに変える
車内の花粉を取り除く方法
花粉対策に万全はありません。
ましてや砕けた花粉の登場で微細化しているのですから、わずかな隙間でも侵入を許してしまうのが実情です。
既に侵入した花粉を取り除くには、車内を掃除するしか方法はありません。
その際には、せっかく沈静化している花粉を巻き上げないように注意しながら行うことが大切です。
- 拭き掃除
マイクロファイバーのモップやウェットティッシュなどで、隅々まで拭き掃除します。 - 吸引
車内専用のコンパクト掃除機で吸い取りましょう。 - 除去
微細化した花粉にも対応する高性能の空気清浄機を設置し、除去します。
花粉は、静電気を発するものに付着する性質があります。
また、掃除の前に車載用に加湿器を使い、花粉に湿り気を持たせ、床などに落下させておくのも一つの方法です。
カーエアコンを活用した花粉対策
花粉を車内に侵入させるものの一つとして、カーエアコンの存在がありますが、作動方法と洗浄で防ぐことができます。
作動は内気循環で
カーエアコンには外気導入と内気循環の2つの作動方法があります。
外気導入は、フロントガラスの下に取り付けられている外気を取り込む装置から外の風を導入、車内で循環させる方法です。
もう一方の内気循環は、車内の空気だけで循環させる方法です。
車内清掃をして花粉を取り除いた後なら、絶対に内気循環です。
カーエアコンを洗浄
カーエアコンで花粉の被害に遭いそうな場所は、エアコンフィルターとエバポレーターの2か所です。
- エアコンフィルター
エアコンフィルターは取り込んだ外気に含まれているゴミやホコリ、花粉などをキャッチするためのシステム。いわば最初の砦です。このエアコンフィルターが汚れていると、車内環境が悪くなるばかりでなく、侵入した花粉を車内にまき散らす結果になりかねません。
花粉のシーズンの前に洗浄するか交換することをお薦めします。最近はPM2.5にも対応している高性能のものも発売されていますので、検討してみる価値はあります。 - エバポレーター
エアコンフィルターが汚れている場合、エアコンフィルターで防ぎきれなかった汚れの行き着く先がエバポレーターです。熱交換器という性質を持つエバポレーターは、カビの温床となる装置。花粉はカビにとってエサとなり、増殖を促す危険性があるだけでなく、花粉自体が風に乗って飛来することもあります。
エアコンフィルターは比較的簡単に交換が可能ですが、運転席の足元にあり、外からは視認できない場所にあるエバポレーターは、素人には掃除が難しい場所です。
確実な効果を求めるならプロにお任せするのが確実です。
お薦めはクリーンデバイス・テクノロジー株式会社のDr.BAZOOKA!洗浄 (ドクターバズーカ)。
同社が独自に開発、特許を取得している器具を用いて行う高圧洗浄ですから、カビだけでなく、辛い花粉症を引き起こす砕けた花粉をも洗い流すことができます。
これだけ高い効果があるのに、国産の普通車なら作業時間は約1時間、費用は2万5千円~で済んでしまいます。
たかが花粉、されど花粉症です
花粉症がひどくなってきたら、耳鼻科などに行き、飲み薬や目薬などを処方してもらい悪化しないように対処する方が多いでしょう。
車も人間と同じです。
車内の掃除をすることもエアコンフィルターの交換をすることも、エバポレーターの洗浄をプロにお任せするのも、安全運転のためには必要な対処といえます。