カーエアコンの仕組みとエバポレーターの役割についてご紹介する記事です。
カーエアコンの心臓部ともいえるのがエバポレーターです。カーエアコンが働く仕組みの中で、エバポレーターはカギとなる役割を担っています。
一口にいえば空気を冷やす装置で、室内エアコンの冷却ファンと同じ働きをする部分です。冷風はもちろん、温風もエバポレーターがなければ作ることはできません。
エバポレーターはカーエアコンの中で一体どのように働いているのか、その仕組みについて見ていきましょう。
目次
カーエアコンの仕組み
まずは、カーエアコンはどのように空気を冷やしたり暖めたりしているのか、その仕組みについてご紹介します。
エアコンの役割は冷風や温風を作ることですが、簡単に仕組みを説明すると、まず、スイッチを入れると、ブロアファンが回転、エアコン吸入口から車内の空気を吸い込みます。吸い込んだ空気はエアコンフィルターを通り、エバポレーターに送り込まれ、冷風ならそのまま送風口へ送られますし、暖房の場合はエバポレーターで冷やされた空気がヒーターコアを通ることで温められ、温風となって送風口から排出されます。
この仕組みは、空気の冷却をするエアコンガスの流れにより成り立っています。エバポレーターを通ったエアコンガスはコンプレッサーに送られて、約80℃という高温になった後に、コンデンサーにより60℃くらいまで冷却されます。そして、レシーバードライヤーという部品を通過する際にゴミや埃などが取り除かれて、最終的にエキスパンションバルブという部品を通過する際に10℃以下にまで冷却されるのです。
この冷却された空気がカーエアコンから出ることから冷却効果が得られます。
エバポレーターの役割って何?
カーエアコンのパーツの一つであるエバポレーター。それではエバポレーターの仕組みと役割についてさらに詳しく見ていきましょう。
空気を冷やす
一言でいうと、エバポレーターはカーエアコン内にある熱交換器。取り込んだ空気を冷やす役割を担っているのです。
カーエアコンは、エアコンガスと呼ばれる冷媒を循環、気化するときの温度差を利用して車内を冷やしますが、まず、コンプレッサーで圧縮され高圧・高温の液体になります。
液体となったエアコンガスは、コンデンサーで冷やされてから、エキスパンションバルブの細いノズルを通り、エバポレーターの中に一気に噴出。急激に気化することで周囲の熱を奪い、温度が下がるのです。
液体が気化するときに周囲の熱を奪う気化熱の原理を利用しているわけですが、このときエバポレーター内部の温度と車内の温度の差が生じることで水滴が発生し、カビの原因となるのです。
車内を除湿する
エバポレーターは空気を冷やすだけでなく、車内の除湿も行っています。ブロアファンモーターから送られてくる湿度を含んだ空気が通る際に、エバポレーターは空気から熱を奪うため湿度も同時に取り除いているのです。
冬にエアコンのスイッチをオフにしているとガラスが曇るのは、エバポレーターによる除湿機能が働いていないため。エバポレーターには空気の冷却とともに除湿を行う役割がありますが、そのためエバポレーターには水分が溜まりやすくカビの発生を招くこともあります。
大事なエバポレーターメンテナンスの頻度は?
車内環境で大事な風の良し悪しはエバポレーターで決まるといっても過言ではないことは、おわかりいただけたと思いますが、良好な状態を保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。
新車なら3年目、最初の車検のときがカーエアコンの最初のメンテナンス時期と言われています。中古車の場合は、車種やカーエアコンの使用具合、さらに普段の車の状態などによって多少の差はありますが、半年から1年に1回の割合でメンテナンスするのが良いとされています。
異臭をそのまま放っておくと、カビが大量発生してしまうとか、雑菌が繁殖するなど、悪臭の原因になりかねません。まき散らされる異臭の中には、健康被害を及ぼす原因菌が含まれていますので、毎日乗っている大人はもちろん、小さいお子さんや赤ちゃんへの被害を考えると怖いものがあります。
エバポレーターメンテナンスの方法は?
エバポレーターのメンテナンスの方法は、洗浄スプレーを使うか、プロの整備工場に一任し解体し、丸洗いするのが一般的でした。
市販されている洗浄スプレーは、エアコン吸入口から、添付されているノズルを挿しこみ薬剤を噴射していくのですが、エアコン吸入口からエバポレーターまで距離があることと、直線ではないことが多いなどを考えると、完全に取り切ることは難しい気がしますし、薬剤が残り新たなカビなどの原因になることも考えられます。
整備工場に出し、整備のプロに分解した上で丸洗いする方法は、確かに原因は取り除けますが、日数もかかり、費用も10数万円かかることがあるので、なかなか一般的ではありません。
しかし、近年、費用も安価で、しかも3時間ほどで済む、第三の方法が注目を集めています。それが高圧洗浄方式です。クリーンデバイステクノロジー社が独自に考案した方法で、オリジナルの機械を使い洗浄します。
高圧水流を使い洗い流すことで薬剤が残る懸念も払しょく。効果もオプションの防カビコーティングを付ければ2年間保証されます。気になる費用ですが、国産の普通車で持ち込みの場合で25,000円。出張でも30,000円とリーズナブルになっています。
エバポレーターはカーエアコンの仕組みに欠かせない存在
エバポレーターの役割とカーエアコンの仕組みを確認すると、エバポレーターが空気の冷却と除湿に大きな役割を果たしていることがおわかりいただけるはずです。カーエアコンの要といっても良く、カビが発生しやすいエバポレーターですから、定期的にメンテナンスを行っておくことは大切。
カーエアコンのスイッチを入れたら嫌な臭いがしたという経験をされた方は多いと思います。それはエバポレーターが原因しているのことがほとんどです。エバポレーターの汚れは気分が落ち込むだけでなく、深刻な健康被害をもたらす原因にもなりかねません。
あなたの健康のために、定期的な洗浄を行ないましょう。エバポレーターは分解洗浄をしようとすると高額な費用と日数が必要となりますが、高圧洗浄ならわずか1時間でメンテナンス完了。費用もリーズナブルなので、カーエアコンの定期メンテナンスで行っても負担にならないでしょう。