猛暑の中、汗だくになって車に乗車。
すぐにカーエアコンのスイッチをON。
これで生き返るとホッとしたのもつかの間…。あれ?カーエアコンの効きが悪い。
いつまで経っても冷たい風が出てこない。なんて経験はありませんか。
もしかしたら、それ、コンプレッサーの焼き付きが原因なのかもしれません。
目次
カーエアコンのコンプレッサーの焼き付きとは?
カーエアコンは、家庭用の室内機にあたる車内に設置された装置と、室外機に当たる装置がエンジンルームにあり、この2つから成り立っていますが、コンプレッサーは室外機に設置されている装置です。
コンプレッサーの役割
カーエアコンの冷房は、冷媒といわれるエアコンガスを循環しながら液化と気化を繰り返し、冷風を作り出しています。
問題のコンプレッサーは、エンジンに取り付けられた補機で圧縮機と呼ばれています。
20㎝ほどの丸い筒状の形をし、エンジンの駆動力をファンベルトで受け、回転しながら稼働しています。
その役割は2つ。1つは気化したことで低温、低圧になったエアコンガスを吸入、圧縮すること。
もう1つはコンプレッサー内で高温、高圧になったエアコンガスを送り出すことです。
焼き付きとは
コンプレッサーをスムーズに動かすために、潤滑油としてオイルが使われています。
亀裂が入った、つなぎ目が緩んだなど、何らの理由でオイルが漏れて無くなったり不足したりすると摩擦が生じ、熱を発生させます。
この状態が、コンプレッサーが焼き付いたといわれているものです。
カーエアコンのスイッチのONとOFFで、コンプレッサーの運転と停止をさせる装置であるマグネットクラッチが動かくなり、異音がしたりカーエアコン自体の効き目が悪くなったりという症状がでます。
カーエアコンの焼き付きの修理方法と費用目安
コンプレッサーはエンジンルームにあり、エンジンと直結していますので、カーエアコンの不具合が生じても、素人判断で手を出さないほうが賢明です。プロに任せてください。
依頼先
ディーラーや整備工場など、カーエアコンという機械に詳しい専門家が常駐している工場を選ぶようにしましょう。
修理の流れ
コンプレッサーが焼き付き、黒く汚れたエアコンオイルが回ってしまった場合、修理は必要な部品の交換と全パーツの洗浄になります。
- ボンネット開け、カーエアコンを構成する全部品を取り外す
- コンプレッサー、コンデンサー、エバポレーター、それらをつなぐホースなど、すべての部品を洗浄
- 組み立て
修理にかかる日数
コンプレッサーの焼き付きの修理は、コンプレッサーだけにとどまりません。
カーエアコンを構成するすべての部品に及びますので、作業の手順としては上記でご紹介したように単純なのですが、細かい作業も多く、簡単なものなら数時間、重症になると数日から1か月近くかかることもあります。
修理費用
修理費用は車種や修理箇所によって異なります。
マグネットクラッチに不具合が出た場合で2~3万円。
コンプレッサー全体に不具合が生じていた場合は5~10万円にもなります。
カーエアコンの焼き付きを予防する方法とは
コンプレッサーの焼き付きは、潤滑油として使われているオイル不足から起こることをご紹介しました。
オイル不足は、通り道であるパイプが何らかのアクシデントで亀裂が生じ漏れる場合もありますが、構造上つなぎ目を避けることはできません。
そのつなぎ目から自然に漏れていきます。
亀裂のように多くはありませんが、気づかないうちに焼き付きを起こすまで不足していたということもありえるのです。
1回の修理で10万円近い費用を覚悟しなければならないコンプレッサー。
焼き付きを起こさないためには、定期的にオイル点検をすることが焼き付き防止につながります。
コンプレッサーはすぐに修理が肝心
少し異音がするけれどこれくらいなら問題ない…という過信が、コンプレッサーには大敵です。
コンプレッサーが焼き付いた場合、カーエアコンのほかの部分に不具合が発生する危険があり、カーエアコン全体の交換ということにもなりかねません。
オイルチェックと同時に、車内に流れる空気や風をきれいにしておくことも大切です。
もし、エバポレーターが汚れていてカビ臭い臭いが漂っていたら、コンプレッサーが焼き付いた臭いに気づかない可能性もあります。
一番異臭を発生させやすいエバポレーターを徹底洗浄、清潔な車内環境を維持することが、余分な修理費用を使わない方法です。