梅雨が明ければ夏本番。1年ぶりに冷房のスイッチを入れたらなんだかガス臭かった。理由がわからず困っている方も多いことでしょう。
本格化する猛暑を快適に過ごすために、これを機にカーエアコンの点検をしておくことは大切です。
ここでは対策と臭いの原因についてお教えしたいと思います。
車のエアコンがガス臭い…原因は何?
カーエアコンに使われているガス、エアコンガスは冷媒と呼ばれているもので、車内を冷やすのに欠かせないものです。
このエアコンガスの不足や漏れなどのトラブルこそが、カーエアコンの故障原因の上位を占めているのです。
カーエアコンはエンジンルーム内になるコンプレッサーで圧縮したエアコンガスをコンデンサーに送り、エバポレーターに噴射することで一気に気化して周りの熱を奪い冷たい風を作りだします。
このエアコンガスが漏れている状態が「ガス臭い」という状態なのです。
原因はいくつかありますが、例えば車を悪条件下に放置したことよる故障。
あるいはエアコンガスの配管のつなぎ目に使用されているゴムの部品が、走行時の振動によって亀裂が入り、そこから自然発生的にガス漏れを起こしている場合。
エアコンガス自体が不足して匂っている場合や、さらにはエアコンガスを圧縮させる装置であるコンプレッサー本体やエバポレターの故障などが様々な原因が考えられます。
またエンジンルーム内に設置されている配管のバルブ内にカビが発生したり、エンジン機器類の不完全燃焼などが原因の場合もあり、ガスの臭いを察知しただけでは、原因が特定できないこともあります。
ガス臭を放っておくとどうなる?
ガス臭がするということは、少なくともガス漏れを起こしているということです。
ガス漏れはカーエアコン本体の故障につながる可能性が高い原因で、ガスの量自体が不十分だったり漏れている場合、コンプレッサーそのものが動かなくなりますので、エアコン機能自体が停止してしまい冷たい風が出てくることもありません。
どの程度ガス漏れが進行しているかは、前回補充した期間を調べれば予想することができます。
もし前回のガスチャージから1年経っていないのに、エアコンの効き目が悪くなっている場合、症状がかなり進行していると思われます。この場合ガス漏れしている箇所を特定し、修理をする必要があります。
ガスの臭いの対策について
ガス臭を回避するためにもっとも有効的な対策は、やはり日頃のメンテナンスです。
エンジンルーム内はもちろん、エンジン機器類を含めて定期的にメンテナンスすることでガス臭が起こる原因をいち早く特定し最悪の事態を回避することができます。
実際ガス漏れを起こしているエアコンガスの補充で修理が済む場合、費用は5,000円ほどで済みますが、パイプのつなぎ目や配管の修理になると20,000~30,000円、コンプレッサー自体を交換しなければならない場合は、50,000円以上かかるといわれています。
エンジンルーム内とエンジンにまつわる計器類のメンテナンスでガス臭を予防できるだけでなく、費用面もお得に済ませることができます。
カーエアコンのメンテナンスも定期的に行おう
カーエアコンはエンジンルーム内にあるコンプレッサーやリキッドタンクと、車内の前席の足元に設置されたエバポレーターから成り立っています。
また家庭用のエアコンと異なり、製造上の観点から接続部分のバーツが完全に密閉状態にあるわけではありません。言いかえればそれだけデリケートな機械なのです。
またエアコンガスを冷媒として圧縮することで気化し、周囲の熱を奪いながら冷やすという性質上、カーエアコンの心臓部ともいえるエバポレーターは、常に高温多湿状態にさらされており、カビの繁殖の危機に加え劣化の危険にもさらされています。
つまりいつガス臭が漏れてきてもおかしくない状態なのです。
この危険を回避するための最善の方法がメンテナンスです。それも徹底して劣化の原因となる汚れを落としきることが大切です。
カー用品の専門店に行くと、リーズナブルなお値段でカーエアコンン専用の洗浄スプレーが販売されていますが、薬剤の散布はできても、散布後に水洗いができないため、汚れがついたままの薬剤がそのままになるという懸念があります。
薬剤を散布したら、高圧洗浄でしっかり汚れごと薬剤も洗い流す。これがカーエアコンを長持ちさせるのに大切なことです。
まとめ
カーエアコンはエアコンガスがあって初めてその機能を発揮します。同時にエアコンガスがあるからこそ、故障しているかどうかもわかるのです。もちろん個人でガスの補充はできますが、エアコンガスは高圧ガス。補充自体もメンテナンスも専門家に知恵をかりたほうが安全で確実です。