車種に関係なく多くの車のオーナーが抱えている問題、それが車内の臭いです。
タバコ臭、犬や猫などのペット臭、コーヒーにパン、弁当などの飲食物臭、香水や汗など体から発する臭い。
そしてもっとも厄介な臭いが、カーエアコンを作動したときに漂ってくる生乾きの洗濯物のような臭いです。
その原因と対策をご紹介します。
目次
カーエアコンが生臭い原因とは？
カーエアコンから漂ってくる生臭いにおいの原因は、大きく分けて次の2つが考えられます。
カーエアコンの空気の流れの途中に有機物がある場合
カーエアコンは、エンジンルームとフロントガラスの間から外気を取り込みます。
この空気の通路やエアコンのフィルターに虫などの死骸がある場合、生臭いにおいが発生します。
そのままにしておくとダニやカビなどが発生する原因にもなります。
エバポレーターにカビなどの雑菌が繁殖した場合
カーエアコンの空気を冷却するための装置であり、熱交換器とも呼ばれているエバポレーターは、作動中は常に高温多湿状態にあるので結露が発生します。
そのためホコリやチリなどが蓄積しやすく、その結果、カビやダニが繁殖。
生臭いにおいが発生します。
臭いを放置した場合の影響とは？
臭いの放置は原因の放置です。カーエアコン自体の性能面だけでなく、人体への影響もあります。
カーエアコンの効きが悪くなる
カビやホコリなどの汚れが蓄積したままだと、カーエアコンが正常に機能しなくなり、スイッチを入れても冷たい風が出てこないほか、温かい風が送られてこないということが起こります。
健康被害を起こす
生臭いにおいの一番の原因となるのが、エバポレーターのカビです。
カーエアコンのスイッチを入れたときに生臭いにおいがするのは、送られてくる冷風と一緒にカビの胞子が飛散するからです。
知らず知らずに吸い込み続けると、換気装置肺炎、夏型過敏性肺炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など、さまざまなアレルギー疾患を発症する原因となります。
怖いことにカビが原因のアレルギー疾患は、免疫力の低下や年齢と関係になく誰にでも発症する恐れがあるので、赤ちゃんやお年寄りだけでなく、車の運転ができる成人なら誰でも注意が必要です。
また、カビは梅雨や秋の長雨のシーズンだけ注意していれば良いというものではありません。
大阪市立環境科学研究所の濱田信夫先生の「カーエアコンとカビ汚染」によると、乾燥して乾いている分、冬のほうがカビの飛散量が多いという研究報告もあります。
出典：-特集- 車室内空気質の問題と対策 カーエアコンとカビ汚染/大阪市立環境科学研究所 濱田信夫
年齢、季節に関係なく注意が必要なのが、カーエアコンのカビ被害なのです。
カーエアコンの臭い対策は自分でできる？
カーエアコンの臭い対策用商品は、カー用品専門店に行くと多彩な商品が販売されています。
どのような効果があるのか見ていきましょう。
消臭剤
臭いを消すのに有効な商品として知られています。
ぶら下げるタイプ、スプレータイプ、エアコンの風を利用して車内全体の臭いに効果があるというものなど種類もさまざまで、タイプだけでなく、香りもお好みのものを選ぶことができます。
しかし効果があるのは、今現在、車内に漂っている臭いだけです。
発生源であるカビを撃退することはできないので、カビ被害から逃れることはできません。
スプレータイプのエバポレーター洗浄剤
エバポレーターの洗浄剤も、消臭効果をうたっている商品です。
スプレータイプで送風口から噴射するものが多く、値段的にもお手頃です。それなりの効果はありそうですが、根本的な解決にはなりそうもありません。
問題はエバポレーターが、直接目に見える場所にないということと、複雑な構造をしているため、外から噴霧するタイプの洗浄剤では、カビを完全に落とすことは無理があるということです。
もう1つ問題があり、それは噴霧した薬剤を洗い流せないということ。
薬剤を残したままにしておくと、新たなカビの温床となる危険性があります。
消臭剤もスプレータイプの洗浄剤も、一時しのぎにしかならない可能性が高いのです。
カーエアコンの生臭いにおいの徹底対策
徹底的に生臭いにおい対策をするなら、プロの手による洗浄をお薦めします。
方法は分解洗浄と高圧洗浄です。
分解洗浄
ディーラーや整備工場で行っている方法です。カーエアコンの室内機を分解、洗浄し、再度組み立てます。
効果は期待できるのですが、分解、洗浄、組み立てという工程を経るため1週間以上の日数と10万円を超える費用がかかります。
日数的にも費用的にも気軽に手が出せそうもないのが難点です。
高圧洗浄
クリーンデバイス・テクノロジー株式会社が行っている方法もこの高圧洗浄であり、Dr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)と名付けられています。
同社が独自に開発した特別な器具を使って行う方法で、まず薬剤を高圧で噴霧し、カビをはじめとする汚れを落とします。
次に高圧の水流で、カビなどの汚れと一緒に薬剤を洗い流します。国産の普通車なら作業時間は1時間ほどで、費用も2万5千円で済みます。
出張作業にも対応してくれるので、車を工場まで運ぶ手間もいりません。
高い効果を得られ、コスパ的にも魅力的なのが高圧洗浄です。
嫌な臭いは元から絶たないとダメ！
カーエアコンに巣食うカビは、百害あって一利なしです。
一時しのぎの方法では、解決した気になっているだけ。
見えない健康被害はあなたの中で進行しているのです。
生臭いにおいを元から絶つことで、あなたの健康も守られます。
ぜひ最善の方法を選んでください。
