夏はさわやかな涼しい冷風、冬は心までほぐしてくれる温風と、今や1年を通して欠かせない存在になっているカーエアコンですが、実は家庭用のエアコンと異なり、冷房と暖房でシステムが異なることをご存じですか。
目次
カーエアコンはどうやって車内を暖める?
「冷媒」という言葉をお聞きになったことはありませんか。
エアコンガスとも呼ばれているもので、気化と液化を繰り返すことで冷たい風を作り出す、言ってみれば冷房の素のようなもので、冷媒がないとカーエアコンの冷房は成り立ちません。
このエアコンガスさえいらないのがカーエアコンの暖房なんです。
カーエアコンの暖房の仕組み
カーエアコンの暖房の場合、何が必要だと思いますか。
実はエアコンガスのように特別に用意しなければいけないものはありません。
カーエアコンの暖房は、エンジンを動かすときに発生する熱を利用しています。
正確には、発生したエンジンの熱を冷ますために使っている冷却水と言われているものに風を送り、暖めてから送りだしているのです。
エンジンを動かせば自然に熱は生まれますし、生まれた熱を冷まさなければエンジンはオーバーヒートしてしまいます。
熱も冷却水も、車を動かすために必要不可欠なもので、カーエアコンの暖房はそれを再利用しているだけなのです。
冬場のカーエアコンの上手な使い方を解説
効率よく、上手にカーエアコンの暖房を使う方法を解説していきます。
A/CスイッチはOFF
A/CスイッチはエアコンプレッサーをONにするためのスイッチです。
エンジンの排熱を利用して車内を暖める暖房には、このスイッチは基本的に必要がありません。
ただしお天気が悪かったり、結露などで窓ガラスが曇ってしまったときは、A/Cスイッチを入れましょう。除湿機能もあるため、曇り止めの効果を発揮します。
1つ注意が必要なのは、暖房時にA/Cスイッチを入れたままにすると、燃費悪化につながりますので気をつけてください。
水温計で車内温度をチェック
カーエアコンの暖房はエンジンの排熱を利用して暖かい空気を作ります。
逆にいえばエンジンが暖まってない状態で起動しても、暖かい風を作ることはできないのです。
そんなときにはエンジンが暖まるまで暖房をつけるのを我慢。
水温計の針がある程度上がってから暖房のスイッチを入れたほうが早く暖まります。
カーエアコンの設定温度について
省エネが浸透した昨今、家庭用のエアコンの設定温度の考え方をそのままカーエアコンに当てはめて考えている方はいませんか。
実は両者は、作用は同じでもシステムが異なるため、同列に考えられないものなのです。
家庭用エアコンの基準
環境省が推奨する家庭用のエアコンの室温の目安は、夏が28℃、冬が20℃。
誤解をされている方も多いかもしれませんが、28℃と20℃は室温の目安であって、エアコン自体の設定温度ではありません。
家庭用のエアコンの場合、暖房時の平均的な設定温度は23℃といわれており、1℃設定温度を下げることで10%節電できるといわれています。
メーカーが推奨する設定温度は25度
カーエアコンは暖房と冷房でシステムが異なります。
暖房はエンジンの動かすことで発生する熱を冷やす冷却水を利用する排熱利用システムですが、冷房は冷媒と呼ばれるエアコンガスを圧縮することで、気化と液化を繰り返し冷たい風を作っていきます。
ただし真夏には車内の温度を一定に保つために冷房を強くする必要があり、その際ヒーターを併用して冷風の調整を行っています。
この作用がもっとも効率よく働く温度、メーカーが推奨する温度設定が日本車の場合は25℃です。
冬のカーエアコン使用で気を付けたいこと
暖房がほどよく効いた車内。でも快適の裏には必ず落とし穴があります。
ぽかぽか車内は居眠り運転に注意
外は寒くても車内は快適温度、というのが当たり前の最近のカーエアコン。
心地よい設定温度に加え、お天気が良い場合は日差しの恩恵も受けることができますが、実はそれが危険信号なのです。
あまりの心地よさに睡魔に襲われて居眠り運転、なんてことのないように気を付けましょう。
暖房時の車内は砂漠状態
家庭用のエアコンを多用すると室内が乾燥するのと同様に、カーエアコンも多用することで車内は乾燥します。
設定温度によっては湿度が30%以下になることもあり、砂漠とほぼ変わらない状態になることも珍しくありません。
乾燥は皮膚にも髪の毛にも、風邪菌などのウィルスにも悪影響を及ぼします。こまめな水分補給を心掛けることが大切です。
冬はカビの飛散率が倍増
カーエアコンで熱交換器の役目を果たしているエバポレーターは、その性質上カビの温床になる危険性が高い装置です。
エバポレーターとカビというと梅雨や夏を思い浮かべますが、実はカビが飛散する量は、冬のほうが多いのです。
カーエアコンとカビ研究の大家である大阪市立環境科学研究所の濱田信夫先生の『カーエアコンとカビ汚染』という論文には、「冬は暖房によって乾燥状態になるため胞子が放出しやすくなる」と書かれています。
出典:-特集- 車室内空気質の問題と対策 カーエアコンとカビ汚染/大阪市立環境科学研究所 濱田信夫
冬こそきれいに洗浄したカーエアコンで快適なカーライフを堪能
冬のほうがカビの胞子が放出される量が増えるというのは驚きだと思います。
カーエアコンのカビを放っておくと、アレルギーなどの病気を発症することがありますので、適切な対策が必要です。
特にカビの温床となるエバポレーターは装置自体が前席の足元と見えにくい場所にあることと、形状が複雑であることから市販の洗浄剤では完全にカビを除去することができません。
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