車内で水漏れが起こる原因や、カーエアコンからの水漏れについて解説する記事です。
駐車場に止めておいた車の下の地面に、雨も降っていないのに水溜まりができていた。車に乗ったらフロアマットが水浸しになっていた。車内で水をこぼした覚えもないのに不思議。こんな経験はありませんか?
水漏れの原因はカーエアコンなどいくつか考えられますが、場所によっては急を要する危険な状況であることも考えられます。車内で水漏れを見つけた場合、どのように対処するべきなのでしょうか。考えられる原因と対処法について解説していきます。
目次
車の水漏れに対する対処方法
まず大前提として、車は設計上、車内に水が溜まることはありません。車外も排水溝であるマフラー付近以外には、水溜まりができにくくなっています。
もしそれ以外で水溜まりを発見したら、色や臭い、粘り気の有無、水漏れの場所などを確認しましょう。
無色透明・無臭の場合
無色透明で何の臭いもない場合は、エアコンの排水漏れや雨水の侵入が考えられます。
車は基本的に雨水など外部からの水が浸入しないような設計になっていますが、板金などを修理した場合に防水処理が不完全なときがあります。しかし故障ではないので安心してください。
赤や緑などの色がついている水の場合
手触りはサラサラしているけれど、赤や緑などの色がついている場合は、冷却水、クーラントの可能性があります。
オーバーヒートの原因になりますので、早めの修理が必要です。
黒や茶色で粘り気と臭いがある場合
黒や茶色い色をしていて粘り気があり、さらに臭いまである場合はオイル漏れの可能性が高く、放っておくとエンジントラブルや車両火災につながる危険性があります。
修理工場に持ち込むなど早急の対応が必要です。
色や臭いで判別しづらいときは水漏れしている場所で判断
色や粘り気で判別しづらいときは、水漏れを起こしている場所から判断をしましょう。
- 助手席の下が漏れているときは、カーエアコンの排水の可能性
- エンジンルームの先端付近での水漏れは冷却水の可能性
- エンジンルームの下の黒っぽい水溜まりはエンジンオイル、ブレーキオイルなどの可能性あり
ガソリン臭い場合
ガソリン臭い場合は、ガソリンが漏れている可能性があります。
ガソリンが漏れるのは、損傷やサビによりガソリンタンクが破損したことが原因です。事故による衝撃だけでなく、道路に落ちた物を走行中に踏んだときの衝撃でもガソリンタンクが破損することはあります。
基本的にはガソリンタンク付近での漏れが確認できるはずですが、もしガソリンが漏れ出しているなら発火の可能性もあり大変危険な状態です。すぐに運転を中止してエンジンをかけないようにし、専門の業者に回収・修理を依頼してください。
カーエアコンの排水の仕組み
カーエアコンには「水漏れ」ではなく「排水」の仕組みがあります。
そのためカーエアコンを使用しているとき水漏れしているように見えるのは、特別な故障や不具合ではなく自然なことです。
車外にできる水溜まりはカーエアコンの排水
車外に水溜まりができるのは、カーエアコンが排水をしているためです。夏になると車の下に水溜まりができているのを見たことがありませんか?これはカーエアコンが正常に動いていて、排水されている証拠です。
カーエアコンは、温かい空気を冷却装置で冷やして送風口から送り出しています。その際、冷却装置の周りには温度差によって水滴ができます。その水滴がまとまってドレインホースから排水されます。
故障による水漏れと勘違いしがちですが、漏れている水の色をよく見てみてください。赤や緑などの色があったり、粘り気が臭いがある場合は、早い段階での修理が必要ですが、無色透明で臭いがない場合は、エアコンのホース、ドレインホースから出るエアコンからの排水です。
ドレインホースの排出口付近でできた水溜まりなら、なんの心配もいりませんが、もしずれている位置なら、破損やねじれ、またゴミなどが詰まっている可能性もありますので、早めの点検をお奨めします。
助手席の水漏れの原因はカーエアコンの排水漏れ
既に書きましたが、車は構造上、車内に水が溜まることはありません。車内に水が溜まること自体が異常なのです。
もしそれが助手席付近で無色なら、カーエアコンの排水漏れによる可能性があります。カーエアコンの冷房は、エンジンルーム内にあるコンプレッサーで冷媒と呼ばれるエアコンガスを半液体状態にし、コンデンサーで液状化させます。
そして次に熱交換器と呼ばれるエバポレーターで熱を奪いながら気化し、冷たい風となり送風口から送り出す仕組みです。つまり温かい風を冷やすので結露が生まれ、結露で溜まった水はドレインホースという排水用のホースで外に流します。
そのためカーエアコンからの排水漏れをチェックするには、まずエバポレーターから伸びるホースを確認しましょう。ホースが損傷していたり、抜けていたりすると助手席に水が溜まる原因となります。
またカビやゴミなどが詰まっている場合も排水がうまく行えず、水漏れが見られることがあります。
助手席の排水漏れに対する対処方法
カーエアコンからの排水漏れの場合、直ぐに走行トラブルを引き起こす可能性は低いですが、放置しておくと車内が湿った状態が続きますので、カビや雑菌などが繁殖したり、他の計器への悪影響も考えられますので、早い段階でプロの手を借りた対策をお奨めします。
カーエアコンの修理
助手席の水漏れは、エバポレーターから伸びたドレインホースが原因ですが、ホース自体が破損や抜けていないかなどをディーラーや整備工場などで点検してもらいましょう。
故障個所がわかれば、そのまま修理してもらえて安心です。
エバポレーターのクリーニングをする
熱交換という性質上、結露水の生産場所でもあるエバポレーターはカビや雑菌の温床です。その汚れを放っておくと水漏れの原因になる可能性が高いので、定期的にクリーニングすることを重要です。
確実でリーズナブルな方法が、クリーンデバイス・テクノロジー社が独自に開発、特許を取得しているDr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)です。エバポレーターをクリーニングするために開発された高圧洗浄機を使って行いますので、カビや雑菌などの汚れだけでなく、嫌な臭いも除去できます。
カーエアコンのメンテナンスを忘れずに
車内で水漏れが見つかったら、まずはどこからどのような液体が漏れているのか確認することから始めましょう。ガソリンの臭いとともに液体が漏れていれば急を要しますが、車外のカーエアコンからの水漏れなら安心です。
カーエアコンはエアコンガスを冷却する仕組みから、排水を行うのが通常の動き。ただし車内で水漏れしているならカーエアコンの故障かもしれません。
カーエアコンは、エンジンルーム内にあるコンプレッサーやコンデンサー、車内にあるエバポレーターなど、何種類もの装置が複合されて成り立っており、それをつないでいるのがドレインホースです。
プロの手によるクリーニングで定期的にメンテナンスすることで、10年といわれているカーエアコンの寿命を延ばすこともできるかもしれません。