雨の日に車内がカビ臭い原因とその対策について徹底解説

雨の日に車内がカビ臭い原因とその対策について徹底解説

雨の日に車に乗ると生臭いような、酸っぱいような、気分が悪くなる嫌な臭いがして辟易したという経験はありませんか。

実はその原因は、車内に巣食ったカビかもしれません。

ご存じのように車内は高性能な密閉空間。

カビが繁殖するのに最適な条件を兼ね備えているため、知らない間に増殖している可能性があるのです。

雨の日の車の臭いはカビが原因!?

雨の日の車の臭いはカビが原因!?

雨の日のカビ臭さが強くなるのは、湿気によってカビが活性化し臭いもきつくなるためなのですが、そもそもなぜ車内にカビが発生するのでしょうか。

車内にカビが発生する理由

カビが発生する条件は3つ。

湿度と温度とエサです。

この三条件を満たしていれば、どこでも発生してしまうのがカビという生き物です。

まず湿度。

雨の日に使った濡れた傘を車内に持ち込んだり、雨に濡れたままの服装のまま車内に乗り込む、乗車する際に車内に吹き込んだ雨をそのままにしてしまったというように、無意識のうちに私たちは雨の湿気を車内に持ち込んでいるのです。

次に温度。

春先から夏のいわゆるカビシーズンといわれている間は、停車している間にも車内の温度は上昇します。

また冬は暖房によって車内温度が上がります。

そしてエサ。

乗車の際に持ち込んだホコリやゴミ、車内で飲み食いした飲食物のゴミや落としたクズ、乗車した人の汗や皮脂というように、エサもあふれているのが車内なのです。

車内でカビが発生しやすい場所

車内で湿度・温度・エサの3条件を満たし、カビが温床になりやすいのは3か所。

カーエアコン、フロアマット、座席シートです。

  1. カーエアコン
    カーエアコンがカビの温床になるといっても全体ではありません。危険なのはダクト、エアコンフィルター、エバポレーターの3か所です。特にエバポレーターは熱交換器という性質上、取り入れた空気を冷やすために熱を発生させる際に、凝結水という水を出します。つまりカビが大好きな高温多湿状態を自ら作っているのです。さらに、エバポレーターはホコリやゴミが溜まりやすいという性質があります。カビ繁殖の3条件がすべてそろっているのがエバポレーターなのです。
  2. フロアマット
    フロアマットは車内を汚さないために床に敷くもの。そのためゴミやホコリ、雨などの水気を吸収しやすくなっています。知らずに放置しておくと表面は大丈夫でも裏側にカビが発生して真っ黒になっていたということになりかねません。
  3. 座席シート
    車に乗っているときに常に接しているのが座席シートです。夏の暑い日には接しているシート面が汗で濡れるかもしれません。車内で飲んだ飲料水をこぼしてしまうこともあります。さらに乗降車の際に吹き込んだ雨で濡れる可能性があります。そういった湿気を放置しておくことがカビの発生につながります。

車内にできたカビの除去方法と臭い対策

車内にできたカビの除去方法と臭い対策

車内のカビ対策は、目的によって変わってきます。

  1. 臭い対策
    一番簡単で手軽な方法は消臭スプレーを使うことです。ただ、注意していただきたいのは、消臭スプレーは応急処置にしかならないということです。つまり、カビ臭に消臭スプレーの臭いを重ねただけ。消臭スプレーの効果が消えればカビの臭いが復活しますので、根本的な解決策にはなっていません。
  2. 洗浄する
    フロアマットなど車外に持ち出せるものは、洗浄するのがカビを撃退する早道です。お天気の良い日を選んでフロアマットを外し、最初にホコリやゴミをたたいて落とします。次に水で薄めた中性洗剤を使ってマットの表も裏も洗います。流水で洗い流し、完全に乾燥させてから車内にセットします。
    湿ったままだとそこからカビが発生する可能性がありますので、十分に乾燥させることが大切です。
  3. 車内の掃除と消毒をする
    座席シートなど外に持ち出して水洗いができないものは、掃除と消毒をすることでカビを撃退することができます。車内の掃除は上から下へが基本。天井から座席シート、そして床の順番でホコリを取り除いたあと、拭き掃除を行います。拭き掃除の際に、エタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール系の消毒剤を使うと新型コロナウイルス対策も同時にできます。

拭き掃除をした後は、乾いた布で二度拭きをするなど、完全に乾かすことが重要です。

見逃せないカーエアコン内部に繁殖するカビ

見逃せないカーエアコン内部に繁殖するカビ

車内のカビの温床になる可能性が高いことで、常に名前があがるのがカーエアコンの室内機にあたるエバポレーターです。

エバポレーターは冷風を作る場所。

エバポレーターで作られた冷風が送風口から車内に送られますので、ここがカビの温床になっていた場合、風と一緒にカビの胞子も飛散することになり、喘息やアレルギー性の疾患に発症するなど、健康被害を起こす危険性があります。

エバポレーターこそ徹底的に洗浄してカビを撃退することが大切です。

カビ撃退のための洗浄方法

市販の洗浄スプレーもありますが、エバポレーターが奥まった場所にあること、複雑な構造をしていることから、市販のものは力不足を否めません。

そうなってくると選択できる洗浄方法は2つ。

分解洗浄高圧洗浄です。

  1. 分解洗浄
    ディーラーや整備工場にお願いする方法です。カーエアコンの室内機を分解し洗浄する方法です。高い効果が期待できるのですが、1週間以上の時間と10万円以上の費用がかかることがあり、コストパフォーマンス的にはちょっと躊躇する方法です。
  2. 高圧洗浄
    世界でただ1社、クリーンデバイス・テクノロジー株式会社が可能にした高圧洗浄によるエバポレーター洗浄方法がDr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)です。
    同社が独自に開発、特許を取得した高圧水流の器具を使って、カビを撃退する薬剤の噴霧し、落としたカビをきれいに洗い流すので、分解洗浄以上の効果が期待できます。それでいて国産の普通車なら作業時間は、わずか1時間。費用は2万5千円~とリーズナブル。頑固な汚れほど試して効果を実感していただきたい方法です。

カビ対策に季節なし

カビ対策に季節なし

カビといえば雨が続く梅雨から夏にかけてと秋の長雨を思い浮かべますが、実は冬も対策が必要なのです。

カーエアコンのカビの研究で知られた大阪市立環境科学研究所の濱田信夫先生の論文『カーエアコンとカビ汚染』によると、乾燥する冬は乾燥によって飛散するカビの胞子の量が増えるという報告がされています。

雨の日には臭い、冬は飛散量と私たちを悩ますカーエアコンのカビ被害。

カビ対策に待ったはありません。

出典:-特集- 車室内空気質の問題と対策 カーエアコンとカビ汚染/大阪市立環境科学研究所 濱田信夫