車にはオイルが必要と聞くと、エンジンオイルを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はカーエアコンにもオイルが使われているんです。
カーエアコンの心臓部ともいえるコンプレッサーの潤滑剤に使われているオイルで、コンプレッサーオイルともいわれているもので、カーエアコンの効き目を大きく左右する重要なオイルなんです。
目次
カーエアコンの不調にオイル不足が関係する理由
カーエアコンのオイル、コンプレッサーオイルにはどのような役目があるのでしょうか。
コンプレッサーオイルが減る原因
車種によって異なりますが、コンプレッサーオイルは、車が製造されたとき、新車のときには規定量が混合されています。
軽自動車で80mlほどといわれていますが、役割は大きく分けると2つ、コンプレッサー内部の潤滑と、気密性を高めガス漏れを防ぐことです。
最初は満タン状態のコンプレッサーオイルですが、徐々に減っていきます。減る理由としてもっとも大きいのが自然消滅です。
量的には年間に約5mlと少量ですが、最初に注入されている量がそもそも少ないので、蓄積されていくと大きな痛手になっていきます。
そのほかにはコンプレッサーの軸部分からの漏れ、冷媒であるエアコンガスの漏れと一緒に漏れていくことなどが考えられます。
コンプレッサーオイルの不足で起きるトラブル
新車の際には満タンだったコンプレッサーオイルも、自然消滅などが理由で5年ほどで不足するといわれています。
コンプレッサーオイルは潤滑剤の役目が大きいので、不足するとエアコンから冷たい風が送られてこない、また、不足しているのを気づかず使い続けていると、コンプレッサー内部で高圧の摩擦が発生し、焼きつきを起こして破損する、ということにもなりかねません。
オイル交換を実施する方法
コンプレッサーオイルの交換が必要なのは、不足した場合と、オイルの色がねずみ色になり劣化している場合です。
交換は自分で行う方法と業者にお願いする方法があります。
自分でオイル交換をする場合
コンプレッサーオイルは、カー用品の専門店などにいくと購入できます。
スプレー式になっているものが多く、火気などに注意しながら自分で入れることは可能です。
ですがコンプレッサーオイルは、元々少量しか入っていないオイルで、車種によっても必要量が異なります。そのため市販のものを1本使ってしまうと、入れすぎということにもなりません。
そして入れすぎもまた、カーエアコンの不調につながりますので十分に注意が必要です。
業者に依頼する場合
ディーラー、自動車整備工場、カー用品専門店、さらにガソリンスタンドでもコンプレッサーオイルの交換をしてもらうことは可能です。
オイル交換は、まず古いオイルを抜き取り、コンプレッサー内部やオイルの通り道であるパイプなどを洗浄。きれいしたところで新しいオイルを注入します。
先にもご紹介しましたが、コンプレッサーオイルは、車種によって規定量が異なります。
不足も入れすぎもカーエアコンの不調の原因になりますので、しっかりとその点を把握している業者にお願いすることが大切です。
オイル交換にかかる費用相場
ではコンプレッサーオイルの交換には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
自分で交換する場合と業者にお願いする場合で、もちろん異なりますが、市販のオイルで1缶4,000~5,000円。業者にお願いした場合、オイル代込みの料金で1万円前後、時間も1時間ほどと、一休みしている間に済んでしまいます。
日頃のメンテナンスでカーエアコンの効き目を維持
もしコンプレッサーオイルの不足に気づかず、コンプレッサーを焼きつかせてしまったら、コンプレッサー自体を交換しなければなりません。
そうなると10万円を超える費用がかかります。コンプレッサーが故障したことで、車を買い換えたという話も耳にするほどです。
カーエアコンはメンテナンスと怠ると高い出費につながる可能性がありますので、冷房や暖房を使う前と後だけでなく、定期的にクリーニングをするようにしましょう。
プロにカーエアコンの洗浄をお願いすることで、雑菌やカビなどの嫌な匂いを解決できるだけではなく、コンプレッサーなどの機械の不具合を見つけることにもつながりますので、結果として経費削減にもなります。