現在、搭載されていることが当たり前になっているといっても過言ではないカーエアコン。
夏も冬もなにげなく使っていますが、正しい使い方、燃費が悪化しない使い方について解説していきます。
目次
カーエアコンの役割と正しい使い方
カーエアコンがカークーラーの名前で世界に登場したのは1930年代のアメリカ。
遅れること27年、1957年には日本車にも搭載されました。
以来、改良を重ねてきたカーエアコンですが、多くの車に搭載されるようになり標準装備といわれるようになったのは1990年代のこと。
まだ30年も経っていないのです。
進化した現代のカーエアコンにはどんな役割があるのでしょうか。主だったものをご紹介します。
冷房と除湿
カーエアコン最大の特徴ともいえるのは冷房です。
冷媒と呼ばれるエアコンガスをコンプレッサーを使って冷気を作り、車内に放出し、冷やしていきます。
使い方は簡単で、A/Cスイッチを入れることでコンプレッサーが稼働し、冷たい風が作られます。
同時に除湿もしてくれます。
実はカーエアコンと家庭用のエアコンの大きな違いは、この機能にあります。
家庭用のエアコンは、スイッチの切り替えで冷たい風も暖かい風も作ることができますが、カーエアコンには冷房と除湿機能しか搭載されていないのです。
暖房
同じ送風口から流れてきますし、スイッチもカーエアコンと一緒ですが、冷房と暖房ではシステムが全く異なります。
冷房はコンプレッサーにエアコンガスを注入して作りますが、暖房はエンジンの熱を利用して作られます。
自動車は普通に走行していればエンジンが熱を発生します。
そのままにしておくとオーバーヒート状態になってしまうので、エンジンを冷やすための冷却液を使います。
循環させることで、暖まった冷却液をヒーターコアという部品に通し、風を送ることで暖かい風を作ります。
冷房のようにコンプレッサーを動かす必要がないため、A/Cスイッチをいれる必要はありません。
暖房のスイッチを入れるだけで暖かい風が流れてきます。
曇り取り
冬場、カーエアコンの暖房を入れると良くあるのが、フロントガラスなど窓の曇りですよね。
外気と車内の温度差によって結露が生じ、それが原因で曇ることが多いのですが、実はこの改善もカーエアコンの役割の1つです。
曇り取りの方法は…
- A/CスイッチをONにする
- 外気導入モードを選択
- デフロスタースイッチをONにする
結露による曇りは事故につながる可能性があります。しっかり覚えておいてください。
車内の換気
車内換気もカーエアコンの重要な役割です。
換気には内気循環と外気導入があり、一般的にはボタンで切り替えることができますので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
- 内気循環とは
内気循環とは車内に空気を取り入れる吸入口を塞ぎ、外気を遮断して車内だけで空気を循環させる方法です。
メリットとして、冷房や暖房が効きやすくなり、カーエアコン自体の作動による負荷を軽減させることができるので、燃費効率があがります。また、外気に含まれているホコリやゴミ、花粉やウイルスなどの侵入を防ぐこともできます。
デメリットは、内気循環を続けていると車内の空気がこもってしまうことです。眠気に襲われたりする危険性があるので、定期的に換気をする必要があります。 - 外気導入とは
フロントガラスの部分にある吸入口から外気を導入して、車内の空気を換気させる方法です。
メリットしては、車内によどんでいた空気を入れ替えることができるので、夏の猛暑で車内にこもっていた熱を逃がせることが挙げられます。結果、冷房効率を上げることが可能です。また、外気を循環させることでシートやマット、カーエアコンの内部に巣食うウイルスやカビなどを軽減させることができます。さらに、フロントガラスなど窓ガラスの曇り止めにも効果的です。デメリットは、空気が汚れた場所での走行時に外気導入モードにしておくと、外気と一緒にホコリやゴミ、小さな虫など侵入する危険性があります。
カーエアコンによる燃費悪化を抑えるコツ
快適な車内空間を維持するためにはカーエアコンは欠かせない存在ですが、反面、燃費が気になりますよね。
カーエアコンと燃費の関係
燃費問題はカーエアコン自体の仕組みに関係しています。
カーエアコンはエンジンの回転をエアコンベルトでコンプレッサーに伝えることで回転力を生み出し、作動させています。
つまりエンジンに走行するための負荷に加え、カーエアコンを作動させるための負荷を加えているということです。
二重に負荷を加えるわけですから、結果として多くのガソリンを使うことになります。
カーエアコンの使い方や機種によっても違いはありますが、使用することで10~20%燃費がアップするといわれています。
燃費悪化を防ぐコツ
燃費の悪化を防ぐためには、コンプレッサーにかかる負担を減らすことが重要です。
- 冷房の場合
車内の温度が高くなったままの状態でカーエアコンを使用すると、冷たい風を作るのに長い時間がかかります。つまり、それだけコンプレッサーを稼働させることにつながるため、エンジンに負荷をかけ、結果的に燃費の悪化につながります。
外気導入を利用し、暖められた車内の空気を逃がす。窓を開けて風通しをするなどして車内の温度を下げてからカーエアコンを使うと燃費の悪化を防ぐことができます。 - 暖房の場合
暖房はエンジンの排熱を利用していますので、実は、燃費の悪化はそれほど大きくありません。誤差の範囲だといわれています。それでも多少は燃費があがりますので、防ぎたい場合は除湿を利用するようにしましょう。目安は「窓の端がちょっと曇ったら」除湿を利用することです。そして曇りが取れたら除湿を切る、これを繰り返せばコンプレッサーの稼働時間を抑えることができます。 - ハイブリッドカーの場合
ハイブリッドカーは、HVバッテリーからの電力を使ってカーエアコンを稼働させるので、冷房の場合、燃費の悪化はガソリン車より少ないといわれています。ただ、暖房の場合、ガソリン車ほど利用できる排熱が少ないのでバッテリーの電力の消費量を上げて熱を作ることになります。夏よりも冬に注意が必要なのがハイブリッドカーです。
快適空間の維持には定期メンテナンスが重要
カーエアコンは快適な車内空間を維持するために必要不可欠なアイテムです。
不具合や故障がないことはもちろんですが、カーエアコンの内部が汚れていない、きれいな状態であることも、快適な車内空間を維持するためには大切なことです。
カーエアコンの汚れは確認しずらい
故障や不具合の場合は、効き目が悪く感じたり異音がしたりと実感できる要素がありますが、汚れの場合は、効き目が悪くなったり、スイッチを入れた瞬間に異臭がするようになるのは、かなり汚れが進行している状態です。
カーエアコンの汚れは、ホコリ、カビ、雑菌などが主だったものですが、放置しておくと送風口から風と一緒に飛散することになり、人体に悪影響を及ぼす危険性があります。
カーエアコンの汚れは徹底洗浄あるのみ
カーエアコンが汚れる場所は、エアコンフィルターとエバポレーターです。
エアコンフィルターは、外気に含まれた汚れやホコリを遮断する装置です。
中性洗剤を使って自分で洗浄もできますが、近年はPM2.5に対応するなど性能がアップしたもの販売されています。
交換の目安は、快適な車内環境を考えるなら半年に一度をお薦めします。
エバポレーターは熱交換器という性質上、常に高温多湿状態になり、結露が発生しやすくカビの温床になりやすい装置です。
前の座席の足元に設置されているため、目で汚れを確認することができませんが、放置せず定期的なメンテナンスが必要。
市販の洗浄スプレーでは落としきれないカビなどの汚れを一掃してくれるのが、クリーンデバイス・テクノロジー株式会社のDr.BAZOOKA洗浄 (ドクターバズーカ)です。
同社が独自に開発、特許を取得した高圧洗浄機を使いカビもホコリも一網打尽にしていきます。
それでいて作業時間は国産の普通車なら1時間ほどと短く、費用も2万5千円~とお手頃価格です。
きれいに使って燃費悪化も防ごう!
カーエアコンは使い方次第で燃費も変わってきますが、同時に汚れやホコリなどもエアコンの不具合に直結し、燃費にも影響を与えます。
カーエアコンをきれにすることも燃費改善につながりますので、この機会にエアコンの徹底洗浄も検討されてください。