毎年、夏の快適なカーライフに貢献してくれるカーエアコン。
シーズンが終わろうとする今、何か気になるところはありませんか。
カーエアコンの状態は外からでは分からないことが多いですが、知らないうちに汚れは確実に蓄積しています。
夏の間にしっかり働いてくれたカーエアコンを季節の変わり目に点検することもおすすめです。
今回はカーエアコンの仕組みと、快適な車内環境を維持するためのメンテナンスの重要性について解説していきます。
目次
カーエアコンの仕組みをわかりやすく解説
カーエアコンは、家庭用の室外機にあたる装置がエンジンルームに、室外機にあたる装置が車内にあり、パイプやゴムホースなどでつながれている複合機器です。
そして冷房は、冷媒と呼ばれるエアコンガスを循環させることで作りだしています。
その流れにそって仕組みをご紹介していきます。
コンプレッサー
エンジンルームにあり、圧縮機の役割を担っているのがコンプレッサーです。
完全に気化した低温低圧のエアコンガスを圧縮。高温高圧状態の半液体状態にします。
コンデンサー
高温高圧状態で送られてきたエアコンガスを、コンデンサーファンの風を使い冷却。強制的に熱を奪い、液状冷媒に変化させます。
レシーバー
コンデンサーで液状になったエアコンガスを、一次的にためておくのがレシーバーです。
レシーバーでは、エアコンシステムにとって大敵である除去する乾燥剤や、ゴミを取り除くストレーナーなどが組み込まれており、ゴミや不純物を取り除く役目を担っています。
エキスパンションバブル
不純物やゴミが取り除かれ、きれいになった低温高圧状態で液状のエアコンガスを、次のエバポレーターに霧状に噴射するのがエキスパンションバブルです。
エバポレーターの出口の温度によって噴射する冷媒の量をコントロールします。
エバポレーター
熱交換器の役目をしています。エキスパンションバブルから送られてくる霧状のエアコンガスを気化させて冷却するのがエバポレーターです。
このエバポレーターをブロアファンによって送られてきた車内の空気が通過することで、熱交換が行われ、冷風が作られます。
循環ルートにのる
エバポレーターを出たエアコンガスは、完全に気化した低温低圧の冷媒としてコンプレッサーに送られ、再び圧縮され高温高圧状態になります。
こうして冷房が次々に生み出されていきます。
カーエアコンは定期的なメンテナンスが必要
カーエアコンの冷房は外気を取り込みながら冷気を作ります。
また、常に走行による振動にもさらされていますので、定期的なメンテナンスが必要になります。
冷房に関するトラブル
メンテナンスが必要になるトラブルには以下のようなものが挙げられます。
1.冷たい風が出てこない
冷風が出てこないというトラブルは、カーエアコンでは多い事例です。原因として考えられるのは、冷媒であるエアコンガスの不足です。
本来カーエアコンの内部は気密性が高いので、エアコンガスが漏れることは少ないのですが、振動による衝撃などで接合部分に亀裂が入るなどしてガス漏れを起こすことがあります。
2.冷房が効かない
カーエアコンのスイッチを入れると、本来カチッという音がしますが、この音がせず、しかも冷房が効かないというときはコンプレッサーの故障が考えられます。
3.異臭がする
カーエアコンのスイッチを入れたとたん、送風口から異臭がしたという経験をお持ちの方は多いと思います。原因は、エバポーターやエアコンフィルターの汚れです。
特にエバポーターは熱交換器という性質上、高温多湿状態になり結露が発生するため、カビの温床になりやすい箇所。
このように汚れた状態でスイッチを入れるとカビの胞子が車内に飛散するとともに異臭を放ちます。さらに健康被害を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
メンテナンスの方法
メンテナンスはトラブルによって異なります。
1.ガス漏れやガスの不足
エアコンガスが不足している場合は、ガス自体を補充することで解決します。
冷媒であるエアコンガスは、カー用品の専門店などで購入することが可能ですが、ガスだけでなくメーター付のチャージホースが必要になります。
また、車種やカーエアコンの種類によってエアコンガスの量も決まっていますので、亀裂によるガス漏れの点検も含め、プロの手にゆだねるほうが安心です。
2.コンプレッサーの不具合
コンプレッサーに限らず、コンデンサー、レシーバーなど機械関連は、専門的な知識がないと点検やメンテナンスは不可能です。ディーラーや整備工場などにお願いしましょう。
3.エバポレーターとエアコンフィルター
異臭の原因となるエバポレーターとエアコンフィルターですが、エアコンフィルターは洗浄、もしくは交換が自分でも可能です。
グローブボックスの下に設置されているエアコンフィルターを外せば、比較的簡単にきれいにすることができます。
最近はPM2.5などに対応可能な高性能タイプも販売されていますので、交換を検討するのも良いかもしれません。
交換頻度については、完全に汚れ切る前の半年に1度をおすすめしています。
エバポレーターのメンテナンスは洗浄しかありません。
市販の洗浄スプレーも販売されていますが、エアコンフィルターと異なりエバポレーターは素人では取り外せないこと、直接視認できないこと、構造自体が複雑なことを考えると、市販の洗浄スプレーはあまりおすすめできません。
また、噴霧しカビや汚れを取り込んだ汚れた薬剤を洗い流すことができないので、新たなカビの温床になる危険性もあります。
徹底洗浄でカビや汚れを根絶させたいのなら、洗浄のプロにお願いするのが一番です。
おすすめはクリーンデバイス・テクノロジー株式会社のDr.BAZOOKA!洗浄 (ドクターバズーカ)。
同社が独自に開発、特許を取得した高圧洗浄器でカビや汚れを落とすのも、汚れた薬剤を洗い流すのも行いますので、高い効果が得られます。
それでいて国産の普通車なら作業時間は約1時間、費用も2万5千円~とお手頃価格。
検討してみる価値があると思いませんか。
メンテナンスで快適なカーライフ
夏は冷房、冬は暖房、梅雨や長雨の季節は除湿と、現代の快適なカーライフに欠かせないカーエアコンですが、その効果もしっかりメンテナンスをしてこそ。
不具合を察知し、そのうえで適切な対処をすることが肝心です。